私は彼を待っていた。
まだ来ない・・・まだ来ない・・・
開かないドアをずっと睨みつけてもらちが明かない。、
本でも読むかと開いてみたが、大好きな作家とはいえ、その内容が
「不安定な青年期」的な小説だったので、結局落ち着かない。
まだ来ない・・・まだ来ない・・・
その間にも、私の周りに人は増えていった。
でも、彼は来ない。
どうせ来ないだろうと思いながら待つことほど虚しいことはない。
私は、たまたまそこにいた不運な人に不満をぶちまけた。
「もう泣いてもいいですか。」
冗談でも言わないことにはやってられない。
言ったところで彼のためになんて泣けないのは、
自分がよくわかっている。
彼がやっと来たのは1時間後。
ドアを開けて、彼はきまり悪そうな顔をひょっこりとのぞかせた。
もうこれで最後なんだ。
怒鳴りつけてなんてやるもんか。
「約束の時間、1時間間違えちゃった?」
かつてないほどの笑顔を作って言ってやった。
私が彼に渡したのは、数枚の紙切れ。
「これを読んでおいて。」
特に言い訳も逆切れもせずに、無言で受け取った彼。
もう後がないことを前日によく念を押したうえでの遅刻だ。
私の気持ちがどうにもならないことを肌で感じ取ったのだろう。
「私ももう忙しいから、行っていいよ。まあ、頑張って。」
彼を追い出してドアを閉めた。
最後のチャンスだったけどね。
こんな大事な日の約束にまで遅刻する奴なんて、もう知るもんか!
というわけで、
テスト当日の早朝補習を
生徒にすっぽかされましたw
彼のためにいつもより1時間以上早く出勤した自分の、
なんと虚しいことか。
で、その日の彼のテスト結果は・・・・・・
守秘義務ということでw
ご想像にお任せいたします。