昨年末にDMV(自動車局)へ行き、運転免許を更新してきました。
運転免許証のサイン欄に、いつものように日本語で署名すると、英語でないと駄目だと拒否されてしまいました。
抗議すると、ハナという女性のスーパーバイザーが警備員を伴って現れました。アメリカではサインは英語でないと駄目だ、これはDMVのルールだと言います。15年間アメリカにいて、こんなことを言われたのは初めてです。
納得できませんが、警備員に囲まれてしまい、従わざるを得ません。こんなくだらないことで逮捕されて前科が付いたらたまりません。
納得できないので、ウェブサイトからDMVに苦情を送ってみることにしました。なかなか苦情窓口が見つからず。汎用のemailフォームがあったのでそこから送ります。
メッセージ欄は文字数制限が厳しめ。ちゃんと説明できません。しょうがないので、窓口で不当な対応を受けました、とだけ書いて送信。
しばらくするとemailで返事がありました。さっそく箇条書きで質問を送ります。
- 私はDMVでサインの変更を強要されました。
- 英語以外のサインはルールで認められないとスーパーバイザーが言っていましたが、具体的にルールのどの項目がそれに該当するのか示してください。
- もしそのようなルールが存在しない場合は、職員に周知してください。
- もしそのようなルールが存在しない場合は、正しいサインで私の免許を作り直してください。
- クレジットカードのサインも変更を強要されましたが、DMVはクレジットカードのサインを監督する権限があるのか教えてください。
結局このメールに対する返事はありませんでした。まぁ返事が無くても、DMVの中の誰かがちょっとは同情してくれたかもしれないと思えば、多少は気が晴れます。
そもそもサインを日本語にしたのは、20代前半の頃でした。初めてクレジットカードを作るとき、自分にかっこいい英語のサインを考える才能がないことが判明。どうせ海外に行くこともないだろうし、ということで日本語にしました。
しかし何の因果か海外出張へ行くことに。初めてパスポートを作成し、カードと同じサインじゃないとめんどくさいことになりそうだなぁ…と思い、日本語でサインしました。
さらにアメリカで働くことになり、ずっと日本語のサインで通しています。これでダメだと言われたことは、今回まで一度もありませんでした。
1か月ほど経過して年が明け、ダメもとで「どうなった?」とメールしてみたところ、電話がかかってきました。なんと作り直してくれるというので、さっそく翌日の昼過ぎにDMVへ行くことにしました。

半信半疑でDMVを再訪。もし屈強な警備員が待っていたらどうしよう。

電話では、21番窓口へ行くように言われていました。来てから分かったのですが、21番窓口はちょっと特殊な窓口です。
奥からスーパーバイザーのクリスが現れました。前回のスーパーバイザーとは違うおじさんです。サインに言語の縛りはない、ルールには書かれていない、面倒かけてごめんねと言ってくれました。
無料で手続きし、必要書類を持って写真&サインのブースへ移動します。
そしてサインをすると、前回もいた職員から「あっ、中国語はだめよ」と言われました。「あなたあの時の人ね、覚えているわ。英語じゃないと駄目です。またスーパーバイザー呼ぶ?」と、ちょっと高圧的です。
職員が内線でクリスと話し終えると一言、「いいわ、サインして」。日本語でのサインを許されました。
そして職員は隣の別の職員に「なんかルール変わったみたい、次のミーティングで議題に挙げる」と話していました。いや、最初からそんなルール無いですから。
今は新しい免許が郵送で届くのを待っているところです。結果的に元のサインを取り戻すことができたとはいえ、腹立たしく、できればこんな経験はもうしたくないところです。