決して女性に興味がない訳じゃなかった
ただ…最初は良くても何故か駄目になる
だから今日の飲み会も期待などしてなかった
それなのに出逢ってしまい
簡単に自己紹介した後にはそれぞれ分かれて
他愛ない会話をしているうちに目眩を覚えた
先輩社員に断ってからレストルームに向かう
手を洗っていたらドアが開いて
見るともなく視線を遣ると…思わず息を呑んだ
明らかに自分よりも20㎝は高身長の男性だ
綺麗という言葉だけでは物足りないくらい
体温が感じられない上にまるで…異質な雰囲気
見つめ合っていたのはたぶん10秒足らず
気が付いた瞬間抱き寄せられていて
Kissをいつの間にかしていた…もっと欲しい
こんな感情的になったのは生まれて初めて
しばらくKissをしていたけれども
唇がそっと離された途端に泣いてしまった
我に返ったらさすがに恥ずかしくなった
彼の手がまだ余韻に震えている背中を
撫でてくれているだけで堪らなくなって
飲み会もやっと終わってほっとして
先輩たちや同僚たちとも分かれて駅まで
歩いていたら高級車と人目で分かる車が
右側の車道側に止まっている…そして中から
互いに名前を知らないのに…捕まってしまう
