初めて会った時まるで天使かと思った
週末には必ず行きつけのBARで過ごしている
十代後半から通っているが何も変わらない
ロシア系の顔立ちのせいなのか分からないが
"黙っていると迫力があり過ぎて近寄りがたい"
余計なお世話だと思いながら聞き流してた
そしてこの日もBARへと飲みに行って
バーテンダーと他愛無い会話をしていると
角のテーブルで何やら…別れ話らしい
興味無いので放っていたがグラスが割れる音
振り返ると俺と同じくらいの男の仕業だった
スツールから立ち上がって側に歩いてゆくと
[他の客たちに迷惑だから止めないと…な?]
静かにそう言えば男は…一瞬睨んできたが
俺の方が186センチあるためなのか黙ってしまい
そそくさと店内から出て行ったが…見ると
残ったもう一人は呆然自失している
[大丈夫か?…まだ子供じゃないか…立てるか]
手を差し出すと震えているのに…握ってきた
若干長い前髪を思わずかきあげてやると
透き通るような白い肌に濃い睫毛とそして
