清菜慈と別れてすぐに顧海が泊まっている
ホテルペニシュラへと…タクシーで向かった
勢いに任せて来てしまったが…緊張してしまい
どうしようかと思っていたのにいつの間にか
雨が降ってきて一瞬にして濡れてしまった
すると中から顧海が出て来たと思ったら
いきなり抱き上げられてしまい恥ずかしくて
[降ろせって!顧海っ…お前まで濡れるからっ]
それなのに顧海はそのままエレベーターに
しかも全面ガラス張りだから仕方なく諦めた
やがてエレベーターが止まると抱き上げられ
歩き出した顧海の逞しい首に腕を預けた
スーツの内側からカードキーを出すと
[お前が開けてくれよ洛因…今すぐお前が欲しい
離れていた10年分をこれから償うから]
驚いて思わず視線を遣ると身体が感じて
天蓋付きのダブルベッドにそっと降ろされ
1時間後には…耳を塞ぎたくなるくらい
自分とは認めたくない声だけが出ている
10年振りに顧海と抱き合う日が来ることなど
夢なのかと思い…それでも抱き締めてくる
顧海の逞しい腕と熱い吐息に…啼いている
喉が渇いたと言えば口移しで飲ませてきて
そして10代の時には許しはしなかったのに
言われるままになってしまい…離れない
例え祝福されなくても構わない決心をした
