顧海とは結局互いに何も言えないままだった
左手の薬指に付けてある指輪が憎い…!
どんな女性なのか…いつ結婚したのだろうか
10年という離れていた永遠に長い時間…
自分はやっぱり…今でもあいつを顧海を…
傲岸不遜で…強引な性格で…それなのに
忘れた事など一度も無かった…会いたくて
卒業してもずっと一緒に居られると思った
喧嘩してもそれでも嫌いになれなかった
抱き締めてくる腕の力強さを感じるたびに
愛されている実感があった…幸せ過ぎた
だからこそ突然居なくなった理由が知りたくて
顧海の実家まで会いに行って…悲しくて
枯れるんじゃないかというくらいに一晩中
翌朝出社してすぐに上司には心配されたが
よほど疲れて見えたのだろうか…そして
[CEOなら今朝一番の飛行機で帰国されたんだ
次に来られるのはまだ未定らしい]
どうして素直に言わなかったのだろうか…
今でもあいつを顧海を愛している事を
