あれから
気持ちがどうにも不安定で
彼に会いたくなくて
彼の幸せを妬む気持ちばかりが膨らんでいた。


徹夜期間の彼からいつものように連絡がきた。

だけど、それも無視していた。


メールも電話も無視していたら
しつこく連絡がきたので
嘘をついた。

「体調悪くて」と。


すぐに返信がきた。

「風邪?大丈夫?」


その後も何度か「体調どう?」だとか

「お見舞い行こうか?何か買ってくよ」

こんなメールが届いていた。


だけど私の体調を心配したような彼の言葉さえも
素直に受け入れられなくなっていた。


何?
心配したふり?


結婚してるくせに。

私がいつどこで体調を崩していたって
傍にいてくれないくせに。

ずっと一緒にいてくれないくせに。

奥さんの傍にはいられるんだよね。
ずっとね。


上辺だけの優しさなんてうんざりだよ。



彼の優しさが
罪悪感からくるもののような気がしていた。


私に優しくするのは
結婚を隠していたことの罪悪感から
不倫であることの罪悪感から
結婚していることの罪悪感から


そんな優しさいらない。



結婚してる男なんて大嫌い。

不倫する男なんて大嫌い。



あの人が結婚してることが嫌

不倫が嫌



いくら考えても
むしろ考えれば考えるほど
その極論に行き着くだけだった。



いつだったか
彼の結婚を受け入れて
愛する人が幸せならそれでいい

そんなふうに思えたことがあったけど
もうそんな気持ちは消えてなくなっていた。



妬みや憎しみに支配されて
このまま大嫌いになって
あの人になんかもう二度と会いたくなくなって

そのまま独身彼に逃げてしまおう

もうそれでいい


そう思った。