はじめは単なる浮気だったのかもしれない。



あの時は私も自暴自棄になっていたし、あの一回は、後悔もしていないし、彼を責めるつもりなんてない。


むしろ感謝しているくらいだった。





確か二度目に体を重ねるとき、私は彼にこう言った。


「なんでまたするの?クセになるからよくないよ」。



彼は


「もうしないから。これで最後にする」


そう言ったけど。




それからズルズルずるずる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






そういえば、彼は関係が始まった当初から私を彼の家に招くことはなかった。



同棲していたのかもな。




今思えば、思わせぶりで関係が継続するようになったあの時期



彼女との結婚はすでに決まっていたんだ。









私を抱きながらも


彼女の待つ家に帰って、プロポーズをしたんだろうか?



彼がプロポーズするなんて、まるで想像もつかないけど。




そして



彼女の実家に行って、義父に「○○さんと結婚させてください」なんて頭を下げたんだろうか。




そして



自分の実家にも彼女を連れて行き、「この人と結婚する」って報告したんだろうか。






私にどんな顔して会いに来てた?



私は、どんな顔をしていた?



何も知らない私は、彼に会えると嬉しくて幸せで笑顔だったはず。



そんな私を、あの人はどう思っていたんだろう…



何も知らずに恋に溺れている気の毒な惨めな女に映っていた…??





引越しをしたことは聞いていたけど、まさか夫婦のご新居だったなんてね。



あの時、「ひとり暮らし」って、言ってたよね?



嘘つき。







見事に毎回忘れずに指輪を外してくれてたのね。




新婚ホヤホヤの高揚感を隠しながら、私に何食わぬ顔をして会いに来たりするの



さぞかし大変だったでしょう。





新婚だったのに、よくあれだけやってのけたと思うよ。




ご苦労様でした。






結婚のことがバレて、本当はあの人


本心ではホッとしてたのかもしれない。





何かの重荷から、やっと解き放たれた…って



気が楽になったことでしょう。




よかったね。





私は



どん底だったけどね。