彼は私の首筋に、キスマークを残す。



昔はそれを見るたびに、なんだか照れくさくって、嬉しくて、


鏡を見ながらそれをなぞっては、キュンとしていた。




でも今は、そのキスマークも、とてつもなく切なくなる。


だんだん薄くなっていくたび、もっと切なくなる。



彼の“愛のしるし”が消えてしまうような気がして。。




彼は私に、“彼の痕”をたくさん残していく。



でも、私は何も残せない。






私もキスマークをつけてやる



そう思って彼の首筋に唇を近づけてみるけど…


「キスマークが奥さんに見つかったら…彼とはおしまい?」


そう思うと、軽く「チュ」と口づけることしか、できない。




私の服にも、髪にも、彼のタバコの匂いが残るのに


ベッドにも、彼の匂いが残るのに


彼には、私の匂い、残らないのかな…?




あ、そうだ


彼は泊まって起きて帰る前に、シャワーを浴びていくんだ。



もしかして、私の匂いを洗い流しているのかも。



奥さんにバレないように。




なんか…




かなしいな。