おそれていたお正月がやってきた。



早く、早く終われ!


お正月なんて、めでたくなんかない!



結婚が発覚した彼が、奥さんと一緒にご両家で仲良く談笑なんかしているのを想像して、

何とも言えない苦しさを味わっていた。



「あけましておめでとう」



言いたくても、言えない。


電話もできない。


メールも送れない。



こんなの、イヤだ!


こんな苦しいの、やっぱりイヤだ!




もう今後、このまま二度と連絡をとらないのがいいのかも。。



大丈夫、きっと大丈夫。


時間が経てば、あんなヤツのことなんて、吹っ切れる。



そう思いながらも、毎日毎日彼のことを考えてしまっていた。



早く、早く、早くお正月なんて終わってよ!




わたしはしばらく実家にいた。


なんだか、東京に帰りたくなくなってしまったから。


東京に帰ったことを想像するだけで、もっと苦しくなってしまったから。



東京に戻れば、彼がもっと近くにいる。


そして彼の奥さんも、近くにいる。



近くにいるのに、彼には会えない。


もう会ってはいけないんだ。



そう思うと、こうして離れたところにいる方が

気持ちがまだ楽な気がした。



会いたくても、遠くにいれば会えなくても諦めがつくから。


近くにいればいるほど、会いたくなる。


近くにいるのに会えない苦しみを味わいたくなかったんだ。




でも、いつまでも実家にいるわけにはいかない。



仕事の都合もあって、ついにわたしは東京に戻ることになった。