【11月5日・日曜日】
東京経済大学の葵祭での展示会「朝鮮学校と在日コリアンについて」に行った。「明日五日は展示会の最終日となります」とのfbの写真に、ウリハッキョの教科書と「在日朝鮮人ってどんな人?」、「写真で見る在日コリアンの一〇〇年」などの書籍に交じって、『朝鮮学校のある風景』43号を発見、うれしさのあまり駆けつけた。

一号館四階の一室、入り口左手の「朝鮮学校の成り立ち」と、反対側の壁に貼り出された広島、大阪、東京での「高校無償化」裁判の判決を解説したポスターを数人が見ていた。
「朝鮮学校をご存知ですか?」、「高校無償化裁判では…」。主催者の朝鮮文化研究会のメンバーが声をかけていた。
中央のテーブルの上に並んだ本を眺めていると、fbをアップした男子学生が話しかけてきた。
「フェイブックで見て…コマッスムニダ。『風景』を紹介してくれて…」
展示にあたり、朝鮮学校、在日コリアンと関連する書籍を持ち寄ることになったそうだ。『風景』43号には留学同西東京の機関誌「トブロ」から二編のエッセイを紹介している。本を提供した、そのうちの一人が展示の解説を担当していた。筆者とも会うことができ、ひと回りして帰るつもりが、一時間余り長居をしてしまった。
千葉のウリハッキョを卒業して美術大学で学んでいるトンムとは、東京朝高の美術部の先輩や後輩のことで話が弾んだ。中学生当時、「無償化」の話が持ち上がり、高校在学中に排除が決まり、弁護士を志すことになったというトンムとも話せた。「無償化世代」だという彼女は、一日四、五時間勉強しているとか、アルバイトもして、留学同は「気分転換の場」になっているとか…。
初日には一五〇人余りが、三日目、最終日のこの日もひっきりなしに人が訪れていた。子連れも多い。スタンプラリーをしてるので、展示の主旨と関係なく入ってくるようだ。そんなかれらにも、「朝鮮学校は解放直後に…」、「学ぶ権利が脅かされています」と、積極的に話しかけていた。

ポスターの傍に置かれたチマチョゴリの折り紙を見て「可愛い…」、モニターに映し出されるウリハッキョの児童・生徒の公演を観て「上手…」。そんなことが糸口になって、他の展示物にも興味を示す人がいた。
「そういえば、うちの子が朝高とサッカーの試合をしてぼろ負け…朝高ってサッカーの強豪校ですよね」。
そんな話声も聞こえた。

書籍の展示コーナーに別冊『今とぎの朝高生と朝鮮』を置いてもらい、展示が終わったら感想文を送ってくれるよう頼んで、会場を後にした。
会場から最寄りの国分寺駅まで一五分、風に舞う落ち葉を見ながら、展示会で会った六人のトンムたちの顔を一人ひとり思い浮かべ、途中何度か立ち止まって、彼らの話をメモした。
*再整理して11月に刊行する『朝鮮学校のある風景』46号に掲載します。