【10月1日・日曜日】
校門に入ると、運動場から「統一列車走る」の音楽が聞こえてきた。集団体操のラストミュージックだ。運動場一杯に広がる共和国の大きな旗、それを全校生が波立たす、「テーキッパル」を目当に駆けつけたのだが、間に合わなかったようだ。「遅刻」だ。
校門の大きなアーチもだが、運動場の前に設置された統一門も立派だ。美術部の力作だ。何組もの親子が、それを背景に写真を撮っていた。
秋風が吹いているとはいえ、日差しが強い。保護者たちが一斉に運動場から校舎の影や、体育館のロビーに移動していた。日向を避け、昼食をとるためだ。瞬く間に、校舎周辺の日陰は生徒を囲むようにした家族の食事の場に。バスケットコートには、同年代のグループがいくつもできていた。運動会は同級生、恩師と生徒、先輩後輩の「再会」楽しむ場でもあるようだ。

そんな中、東京第九の鄭校長が同校で催される「コリアンまつり」の案内チラシを配っていた。千葉の金校長は、訪朝報告会への参加を促していた。ウリキッキョのための、そんな「風景」が心地よく飛び込んできた。
高校時代の体育のリ・デレ先生とク・ヨンセン先生、代数か幾何を教えていたキム・ダルヨン先生、カン・ヨンジュ先生も…。孫を優しい目で見つめている、教え子と話し込んでいる、そんな元気な姿を遠目で見ながら、歳月の流れを感じた。
昼食時間、校舎の前に展示されていたクラスごとのポスターにスマホを向ける何人かに「一押し」を聞いてみた。

高三の四点は、いずれも「力強い」と。「勝利に向かって」、「伝統継承」、「守りぬく民族教育」。中でも「勝利を実現する火種になろう」の「火種」という二文字に心ひかれるという人が多かった。
中央に貼られていた、「私たちの姿は正しく同胞社会の未来です」とのフレーズに胸打たれたという人も多かった。中には、「数字だけを変えれば、昨年でも、来年でも掲示できるポスターはいただけない」と、辛口の評価をする人もいたが…。

午後のプログラムのトップを飾る、クラブ別行進には大きな拍手が送られた。バスケット部とテニス部が意外に多い。ラグビー部とサッカー部、舞踊部は大所帯だ。空手と陸上の二つのクラブの部員は一人、それでも部員の名前を叫ぶ声があちこちから聞こえた。

クラブ対抗リレー、卒業生期別対抗リレーにつづき、空手部とテコンドー部の演武、農楽舞「チョンサンポルに豊年が来た」の懐かしい音楽が流れるころ、「早退」した。
*加筆して11月に刊行する『朝鮮学校のある風景』46号に掲載します。