東京第九・新入生の身体検査へ
【11月15日・土曜日】
二時半から受付を開始、三時スタートと聞いていたが最寄りの阿佐ヶ谷駅に着いたのが三時一〇分前、速足で学校に向かう。
下校する何人かの児童とすれ違う。学父母の集まりがあったのか、オモニと一緒の児童も少なくなかった。
学校が見える、最後の角を曲がると、二人の男子児童がいきなり、「アンニョンハシムニカ」だ。サッカー部なのか、短パンにジャンパー姿だ。慌てて挨拶を返した。
校舎を見あげると、制服を着た児童と私服の子どもが戯れていた。

入学予定者が全員集まったのか、受付には誰も座っていない。
鄭校長・「過激なブログ、読みましたよ。『全員退学』でしたっけ、朝大の学園祭…刺激的ですね」
私・「あれはあれで…全員集まりましたか?」
鄭校長・「後、二人来てくれればいいのですが…」
「入学願書、一枚いただいてきました」。趙教務主任が校長に報告し、教員室に入って行った。
この日は、東京朝中の説明会もあったようだ。通学路ですれ違った母娘、母息子は、説明会で来校したオモニと六年生の児童だった。
学校では「新入生の身体検査」としているが、全員が同校に入学させるとは限らない。この日も一人で来たオモニがいた。
東京第九の場合、東京第三と学区が重なる地域がある。学父母は、学校の施設、雰囲気に加えて、人数、男女比も大切な選択の基準にしているようだ。
東京第九は、今の一年生の男女比が1対7だった。今年度は、すでに願書を提出した児童の男女比は5対4、「理想的です。あと二人入ってくれば…」鄭校長の表情も明るかった。
保護者たちは一年生の教室で、小さな椅子に腰かけていた。新一年生たちは隣の教室で身長と体重を測りっていた。
「身長一〇九・二…」。そんな声が聞こえてきた。女の子だ。緊張しているのだろう、うつむき加減の子が少なくなかった。

五年生の男女が風船で遊んだり、ぬり絵をしたり、新一年生につきっきりだ。
女子児童が話しかけてきた。
「ブログ書いていますよね。オモニと一緒に見ています」、「三年生の時に書かれちゃいました」。笑顔が愛くるしい。嬉しい「チビッ子ファン」との出会いだった。

一年生の教室に戻ると、鄭校長が話をしていた。
…今年で八年目…東京第九は少ないクラスで八人、一二人いる学年も…大きな学校とは言えませんが、児童たち一人ひとり大切に育てようと心掛けています。…子育てで気苦労は多いと思いますが…私たちと一緒に大切な子どもを立派に育てましょう…。

いつもの温和な笑顔に、「任せてください」、「必ず…」との決意が満ちあふれていた。
続いて趙教務主任が教育の目標とか、年間の学校行事、学校生活について説明してした。ウリマルで話していた。三組が夫婦できていた。保護者全員がウリハッキョ出身者のようだ。

廊下を挟んで、向い側の教室をのぞくと、チョゴリ姿の先生がプリントを片手に、入学対象者に笑顔で話しかけていた。入学試験?をしているようだ。

制服、学習道具については、低学年の主任が「鉛筆は持ち方の練習をするには丸や、六角形のではなく三角の方がいい」とか、事細かく話していた。
趙教務主任・「詳しくは、年明けの一日登校の日にも…質問は?」
一番後ろに座った女性・「学童が終わったら、最寄りのバス停まで連れて行ってくれるのですか?」
登下校は、保護者にとって、心配の種の一つだ。
都内の多くのウリハッキョでは、働く保護者を支援する一環として、低学年を対象にした準学童保育を行っている。東京第九でも、空手、習字、芸術体操など、有料の課外教室と共に、月額最高三千円で、放課後も児童の世話をしている。
趙教務主任・「もちろんです。西武池袋線沿線だけですが、ハッキョポス(登下校用の学校バス)は、学童が終わる四時半に出発します。ドウトゥウドアで、運行しています」

所要で中途退席した。運動場には一人でボールをゴールにシュートする男子児童や一緒に遊具にぶら下がりふざけ合う男女の児童の姿が。男子児童の体がゴールの網に絡まっていた。みんな笑っていた。網に絡まった本人の声が一番大きかった。
六年生は、朝中説明会に参加した保護者と帰ったはずだ。来春、弟や妹が入学してくる児童もいて、説明会が終わるのを待っているのだろう。

今年度の卒業生は七人、来年度は少しではあるが、児童数は確実に増える。年が明けると、一日登校、その日には餅つき大会が予定されている。二月には親子で学芸会に招かれている。
子供同士が名前で呼び合うより、「엄마친구(オンマチング)」、ママ友になる方が早いと聞いている。そして入学式を迎えることになる。