【7月23日・火曜日】
東京第3の「ウリマルマダン」へ。朝鮮語力アップの特訓の成果を全児童が確認し合い、新たな刺激を得る場。
終業式の前日の恒例行事だ。
チェーサムに来るのは、校庭での「チャリティー焼肉」以来だから17日ぶり、二週間来ないと、とても久しぶりだという感じだ。
校舎のドアには、8月3日の「第3夜会」のポスターが5枚貼られていた。児童が描いたにしてはあまりにも上手過ぎ?思わずカメラを取り出してしまった。

と、いうのも、金教務主任の手書きのポスターが、フェイスブックなどで紹介されていたので、今年はすべての先生が、ふとそんなことが思い浮かんだのだが、6年担任の夫先生は東京第3の美術部のソジョジャン(小組長)を務めていたということを聞いたことがあるが、後の先生はどっちかというと、体育系である。児童の作品のようだ。「朝鮮新報」の折り込みチラシにもなっていた、教務主任が描いた夜会のポスターは、教員室の前の掲示板に貼ってあった。運動会も学芸会も、ポスターの担当は金教務主任になりそうだ。

期末試験が終わり、成績表をつけるこの時期、いつもながら教員室は、「部外者」立ち入り禁止だ。
軽くノックをして、10センチぐらい開けて、ドア際に座っている金教務主任にあいさつをして、校舎に上がって行った。

2階の低学年の3つの教室は人影なし、3階の5、6 年生の教室の隔たりを取り払った「臨時講堂」では全校生が並び始めていた。6年担任の夫先生の「チョイセヨ」の声が廊下まで聞こえてきた。「イヤギ クマン」、「イヤギクマン」の声もだ。雑談を止めて、肩を重ねるように詰めて立つようにとのことだ。
「ウリマル マダン」で合唱?そうだとしても肩を寄せ合うように詰める必要はない。「8月3日…」、夜会の準備のようだ。なるほどビール箱を並べた上に板を敷いた夜会の舞台は狭い、もっと詰めないと上がれないはずだ。
床屋に三分刈りに行かせたつもりが、3ミリに刈られてきたと、オモニがフェイスブックで嘆いていた児童の頭は、ひときわ目立っていた。
そんなトンムたちの姿を2人の女子児童が椅子に座って見ていた。
私・「どうしたの?」
女子児童1・「モミ アンジョワソ」。体調がかんばしくないようだ。
女子児童2・「クジュウィ ハラボジチべ…」。夏休みは九州の祖父の家に行くので夜会の合唱には出られないらしい。でも九州行きは、嬉しそうだった。

何度か歌を繰り返した後、金教務主任が、28回目を迎える夜会について話し始めた。
…夜会のメインは、焼肉でも、ビールではありません。ハクセンたちのきりっとした姿と力強い歌声です。祖父母も、父母も、卒業生も、それから地元の町内会の人々も、そんなあなたたちを見に来るのです…
そんな言葉が耳に残った。

廊下に出ると、「すべて9・3点を、一やるのか?今でしょ!」-期末試験に備える少年団の運動の学年別結果が貼り出されていた。4年生は4課目中2科目(算数と理科)、5年生は5課目中2科目(理科と社会)、6年生も6課目中2科目(算数と歴史・地理はクリヤーしたが、 いずれの学年も国語(朝鮮語)は目標に及ばなかったようだ。

休み時間、いくつかの学年は「ウリマルマダン」の最後の練習に励んでいた。

何人かの児童は、 暑いのに運動場に出て、ボールを蹴っていた。

冷房のきいた「臨時講堂」では、おしゃべりをしたり、プロレスごっこのようなことをしたり、児童の歓声がたえなかった。
金校長は、3階の一部教室のスピーカーが聞きづらくなっていたが、地元の姜さんが修理を買って出てくれたと、嬉しそうに話してくれた。「これで月一回の地震と火災の訓練もスムーズにできる」とも。

そして「ウリマルマダン」がスタートした。 前半は、学年対抗の発音訓練だ。早口言葉は聞くほうもドキドキハラハラしてしまう。3年生が終わると、5年生の児童の席から「チャルハンダ」の声が。その3年生には「特別賞」が、制限時間の2分をオーバーしたようだ。優勝は2年生、発音も、表情も良かったとの評だ。力強さが足りなかった高学年の児童には2学期は頑張るよう、エールが送られた。
この日の「記録係」は5年担任の許先生のようだ。最新鋭の超小型デジカメではなく、先生が大きいのだ。

そして2部。朝鮮大学校の金先生の「お話」だ。昨年は、「ポンタンマル(擬声擬態語)」についてだったが、今年のテーマは「ウリマルで伝える喜びと面白さ」だ。朝鮮語による作文の書き方だ。平壌や日本各地、そして東京チェーサムの詩や作文を紹介しながら、話を進めていた。何よりも、「頭で考えるのではなく、心で感じる」 ことが大切なようだ。

昨年同様、童話の読み聞かせも行われた。3年担任の金先生が童話の本を掲げ、スクリーンにも映し出されていたが、110人の児童を対象にしては少し無理があるようにみえた。それでも1年生から6年生まで、その学年なりに「刺激」を受けたようだ。

ウリマルマダンが終わると、低学年はいつものように椅子を持って、各教室に戻って行った。1年生の中からは「スンボヌル チキラ」 との女子児童の声が飛んでいた。順番があるようだ。その順番を守らない男子児童がいるようだ。

そして、昼食の時間である。注文弁当と冷えたお茶を当番が運んでいた。
「重いでしょ」と声を書けると、「クェンチャナヨ、クエンチャンスムニダ(大丈夫です)」の答えが戻って来た。それでも低学年の児童は階段で何度も立ち止まっていた。
