三学期の始業式へ | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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【1月8日・火曜日】東京第三の三学期の始業式へ。
路線バスを降りると9時2分前、小走りで学校へ向かった。
玄関で靴を脱いでいると、6年担任の夫先生が階段を降りてきた。新年のあいさつ、クァセアンニョンハシムニカだ。
校長室に行くと、金校長はトレーニングウェアー、背広に着替えていないので、始業式まで時間があるようだ。
2階に踊り場で、1年担任の黄先生とすれちがった。
黄先生・「ブログ見ました。○○トンムのことですよね。」
2日前に同校で催された豊島同胞の新年の集いでの出来事についてのブログだ。
私・「ウリマルがとても耳触りがよかったので…」
黄先生は、「コマッスムニダ。特別、上手な児童ではなく…」と、言いながらも口元はほころんでいた。
しばらくして、1年生の教室をのぞくと、児童たちが黄先生を取り囲んでいた。
教室は、暖房が入って寒くないのか、上着を着ていない児童が何人もいた。
黒板には「始業式」、「新年」、「巳年」という単語が書かれていた。
2階でも、3階でもすれちがう児童は、「クァセアンニョンハシムニカ」だ。
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3階の「臨時講堂」では、5年担任の許先生が、いつもの物静かな語りで児童に話をしていた。
ドアが開いていたので、後方からのぞきこんでいると、先生が児童を起立させ、私に新年のあいさつをするよう促すので、慌てて挨拶を返した。
「臨時講堂」の前方の黒板に向かって女子児童がいつになく大きな文字で、「始業式」と書いていた。
金校長は、新年を迎え全国でも一番の「ウリマル模範校」になる決意を新たにすることと、「知・道・体」の三つのテーマごとの目標についてのべた。特に6年生には、悔いのない学校生活を送り、より良い伝統を残せるようエールを送っていた。
新年の決意をつづったたくさんの年賀状が届いたが、名前が書かれていないものあったとの話には笑いがもれた。金校長は「若干」と言っていたから、1枚ではなく何枚かあったようだ。
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つづいて、恒例の前に出て、マイクをもっての「決意表明」だ。
金教務主任の「当然、6年生が先頭に立つべきでしょう」との言葉に触発されたのか、6年生の男女児童の「一言メッセージ」がつづいた。
「最高学年として…」、「6年間を締めくくる学期を…」、「中学に進学したら…」。学芸会に全力を尽くすと、下級生の模範になるとの言葉が多かった。
3年生は「少年団員になる準備を…」、5年生は「最高学年になったら…」と、下級生も負けていなかった。
担任の先生はうなずいたり、「チャルヘッタ」と拍手をしたり。「誰か行けよ」、「言えよ」とでも言いたげに、落ち着かない先生もいた。確かに○年生の発言は少なかった。
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始業式が終わると、そのまま学芸会の合唱の練習だ。
「冬休みの宿題、やってきましたか? 歌詞を覚えてくるように言いましたよね」、「忘れた人は100回書かせます」夫先生の言葉に、少しざわついた。
まずは、ドレミファ…」と「ドソド」の発声練習。「正面を見て、肩が上がらないよう…」と、黄先生。「ソ」は「ソル」。ウリマルでの「ソル」の発声がなぜか心地良く響いた。
「ウリハッキョの校門を開いてみると」―なかなかいい曲だ。
つづいて「愛校歌」。「チングナン」と「タジョンハン」の「ㄴ」パッチムをはっきり発音するよう注意が促された。
夫先生・「学芸会は合唱で始まります。成功するか否か、感動させられるか否かは、合唱の出だしで決まります。一生懸命にうたう姿に感動するのです」
金教務主任・「一生懸命にうたっていたが、もっと頑張れる。バスケットもサッカーの試合も、学芸会も本番は一度しかない。泣いても戻っては来ない。その一度にすべての力を、みなが心を一つにしてこそ成し遂げられる。2回目はない、後悔してもやり直すことはできない」
児童も、先生も練習初日からリキが入っているように見えた。
 
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そして掃除。5、6年の男子児童が、3階の廊下に積まれていた長いテーブルを1階に下ろしていた。2日前の豊島同胞の新年会の時に使ったテーブルだ。2学期の終了式の後、1階から3階に運び上げたのも5、6年の彼らだった。
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廊下を歩く児童の口々から「チュプタ!(寒い)」の言葉が…。
濡れぞ雑巾で教室と廊下、階段を拭くのがすこし辛そうだった。
私・「冷たい?」
男子児童・「うん」、「大丈夫です」
絞った雑巾を持つ、親指と人差し指が小刻みに震えていた。
音楽室と理工室の掃除を担当している5年生の男子児童だった。
早々と掃除を終えた4年生の教室をのぞくと、空いた椅子が一つあった。
終業式の途中、「臨時講堂」から出て行った金先生が廊下で、保護者らしき男性と話していた。
その横には大きなマスクをした女子児童が立っていた。その児童の席のようだ。
隣の教室からは、男子児童の「松本アウト」の大きな声が。年末のテレビ番組の真似をしているようだ。「遠藤○○」の声もしていた。金教務主任が聞いていたら、その場でその児童は確実に「アウト」になっていただろうと思うと、思わず微笑んでしまった。
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雑巾で床を拭くのもそうだが、汚れた雑巾を冷たい水で洗うのが大変そうだ。
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普段と違って、高学年と低学年が一斉に下校。日陰に入ると足元が寒かったが、児童はそんなそぶりを見せずにバス停と、私鉄の駅に向かって早足に歩いて行った。
「明日は水曜日です。時間割を間違わないよう」、そんな言葉も飛んでいた。
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用事があったので、いつもと違う方向のバスに乗った。10人近い児童と一緒にだ。
「座っていても大丈夫」、「お年寄りが乗ってきたら席を譲るように…」。6年生の児童が下級生に指示していた。
2、3つ行った、地下鉄との乗り継ぎ駅で全員が下車した。
バス停で下校指導していた黄先生は、「降りるときも挨拶を忘れないように」と、言っていたが、他に降りる乗客が多く、「運転手さん、ありがとうございました」と言うタイミングを逃してしまったようだ。
最後に降りた男子児童が、あいさつをするためにか戻ってきたが、その時はドアが閉まっていた。ik
 
*加筆して、隔月刊ブックレット『朝鮮学校のある風景』に掲載します。