木曜日の夜は、大好きな河村尚子さんのピアノを聴きに行った。
ベートーヴェンの「ピアノソナタ ・プロジェクト」と銘打たれた4回シリーズの第2回目で、中期の名作がずらりと並ぶ期待大のプログラムだった。
河村尚子
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ・プロジェクト Vol.2 (全4回)
2018年11月29日(木)19:00〜
紀尾井ホール
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3 「狩」
ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ 第24番 嬰ヘ長調 Op.78「テレーズ」
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
私は、都心開催の河村尚子リサイタルには、都合さえ付けば出来る限り行く。
なぜなら、楽しいからだ。
だいたいどんな演奏家も、1回のコンサートで1度でも「はっ!」と気持ちを高揚させてくれたら、それで満足して「来て良かった」と思うんだけれど、それが最近はこちらの感性もすれっからしになってきたからか、なかなか難しい…
はいはい、そうでしょうね…と予定調和、もしくはそれ以下で終わることが多いのだが、河村さんの演奏に接する時、それは絶対に無いばかりか、「はっ!」という瞬間が何度でもやってきてくれるから、とにかく嬉しい
私の感じるところ、河村さんの演奏には、余計な飾りがまったく無い。
それは彼女のビジュアルも含めてだ。
何も隠さず、何も飾らず、そのままの姿で凛と人前に立ち、自らの感じたままを全て音楽にのせて表現するピアニストなのだ。
しかも彼女の感性は驚くほど瑞々しく、作品への洞察は深く、再現する技術は頼もしいほどに高く、私たち聴き手は、ただ素直にそれを楽しめばいい。
今回の演目も、どれも本当に素晴らしかった。
特に最後の「熱情」ときたら!!
アンコールは「エリーゼのために」で、なんとなく私はこれが来そうな気がしていたので、そこもまたニヤリと嬉しかった
次回のベートーヴェン・プロジェクト第3回は、4月26日(木)19:00から。
この日はN響のサントリー定期があるんだけれども、こっちを日程変更してでも聴きに行きます
紀尾井ホールの正面に建つホテル、ニューオータニのイルミネーションに沿って、この日は四ツ谷駅ではなく赤坂見附駅まで降りた。
年末も近いとあって、赤坂周辺は、もう忘年会風のグループが闊歩していた。