第1881回 N響定期公演 Bプログラム の 感想 | まるこブログ

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朝から細かな霰が降った昨日の東京都心…

夜になっても小雨は止むことなく、久しぶりに湿り気の多い一日だった。


仕事を終えて、サントリーホールへ。

パーヴォ・ヤルヴィが指揮する昨日のプログラムは、シーズンはじめから大いに期待していたもので、前半が武満徹、後半はワーグナー「指環」という素敵さだった。







第1881回 定期公演 Bプログラム 

2018年2月22日(木) 19:00〜

サントリーホール 


指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

ヴァイオリン*:諏訪内晶子

ゲスト・コンサートマスター : ヴェスコ・エシュケナージ


武満 徹/ノスタルジア─アンドレイ・タルコフス キーの追憶に(1987)*

武満 徹/遠い呼び声の彼方へ!(1980)*


ワーグナー 楽劇「ニーベルングの指環」管弦楽曲集

  I「ワルキューレ」 ─「ウォータンの別れと魔の炎の音楽」

 II「ワルキューレ」─「ワルキューレの騎行」 

III「ジークフリート」─「森のささやき」

IV「神々のたそがれ」 ─「ジークフリートの葬送行進曲」 

 V「神々のたそがれ」 ─「夜明けとジークフリートのラインの旅」 

VI「ラインの黄金」─「ワルハラ城への神々の入城」








まず、前半の武満作品。

素晴らしい演奏で、まるでホールの外の実際の湿り気と呼応するかのごとく、五感にしっとりと「水」の変化を感じた。

あらためて武満徹という作曲家は天才だと思ったし、それを注文通りに演奏するパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響も諏訪内晶子も、大変な人々だと思った。


この前半の大満足があったものだから、ただでさえ大好きなワーグナー「指環」の管絃楽曲集はどうなるか!!!と、私は目を爛々と輝かせて待っていたのだが…

だが…笑い泣き


悲しいことに私には「うーん…」という内容だった。


もちろん、N響の各演奏者の技量は素晴らしく、流石と言うしかなかったんだけれど、そもそもの音楽が弛緩していたというか、「指環」という楽劇の中身がまるで見えてこない、とても表面的な演奏に終始していたのが、本当に残念だった。

だいたい、なぜ「ワルキューレ」のクライマックスからいきなり始まり、かと思ったら眠ったはずのブリュンヒルデが起きて姉妹たちと馬を駆け、ジークフリートも死んだかと思ったら、またまた元気に旅を始め、最後が神様たちの入城…なんだろうか?

この順番は何なのだろう? 意味があるんだろうか?

純粋に音楽として聴けってことなのかもしれないが、それは無理ってものでしょう〜

こっちは若い頃から「指環」を何周も観て、聴いて、音楽と意味や場面が直結してしまっているし、そのようにワーグナーが作ってるんだから、そこを切り離すことなんて、どう頑張ったって出来ませんって!

アタマの中を初期化して、「指環」なんて知らない人になれば、新鮮に「いい曲だなぁ」と楽しめたかもしれないけれど、それにしたって昨夜の演奏のしまらなさときたら、けっこう久々の衝撃でした…ぼけー

なんの「味」もしない、退屈な時間になってしまって、私の期待していたものは全く得られなかった…という。

東京春祭のワーグナー・シリーズ等で、N響が凄まじい名演を積み重ねてきた記憶もあるだけに、この物足りなさは、けっして「歌がない」ことに原因があるとも思えず…



帰宅して、その辺の不満をブツブツ家族にぶつけたところ、「せっかくの演奏を楽しめないとは、アナタも完全にワグネリアンのダークサイドに墜ちてますなぁ〜」と言われてしまったぐすん

いやいや、私なんか本物のワグネリアンからしたら偽者もいいところ、バイロイトに通うわけでもなく、かなり心も広い方ですけどねー、そんな私でも「これはないわ」と受け入れられなかったわけで、それを「ダークサイド」と片付けられてもなぁ〜〜



とりあえず、パーヴォさんの次の公演「ウエストサイド」は、楽しみです。

こっちは感動したいと、心の底から願っております。