第1873回 N響定期公演 Aプログラム の 感想 | まるこブログ

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N響定期演奏会の12月は、シャルル・デュトワの月だ。

いつも華やかで贅沢なプログラムが組まれ、多くの定期会員がその登場を心待ちにしている。

しかもそんな愛されるデュトワの十八番であるラヴェル名作が全演目とあって、大きなNHKホールが満席の賑わいだった。






第1873回 定期公演 Aプログラム 

2017年12月3日(日)3:00pm 

NHKホール   


指揮:シャルル・デュトワ 

ピアノ:ピエール・ロラン・エマール


~ラヴェル没後80年~ 


ラヴェル/ 

古風なメヌエット  

組曲「クープランの墓」  

左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調  

道化師の朝の歌  

スペイン狂詩曲  

ボレロ 







冒頭から聴き馴染んだ名曲が並び、幸せな気持ちがこみ上げる。

デュトワの指揮でN響の演奏を聴く機会は、きっとこれからも沢山あるだろうけれど、ここまで「ラヴェル」を集めたコンサートに居合わすことができるのは、そう多くはない気がする。

何事も一期一会の人生だけれど、それを実感できる瞬間は少ないもので、与えられる有り難さが身にしみてくる。



デュトワはよく、NHK交響楽団に「色彩」を加えた指揮者だと言われる。

それまでのN響は「ドイツ音楽」のパレットには豊富な絵の具を持っていたけれど、フランス音楽の絵を描くには「色数」が足りなかった…または「色の調合」をよく知らなかった…ということだろうか?


たしかに、ただピアノを習っていた昔の私でも、それまでずっと弾いてきたモーツァルトやベートーヴェンから、初めてドビュッシー作品を課題に与えられた時の戸惑いは、なかなかのものだった。

同じように和音を弾いても、フレーズを出そうとしても、全く違う技術や表現を求められ、まさに「使っている言語が違う」ことを思い知らされた。

未熟な子供の私とN響を一緒にすることは出来ないけれど、次元は違うにしても同種の違和感はあったはずで、そこを「魔法の棒」で解き明かしてみせたのがシャルル・デュトワだったのだろう。

元来高度な技量を誇るN響は、瞬く間に「絵の具」と「調合法」を増やし、今では御家芸のドイツものは勿論、フランスものもロシアものも、それは多彩な色の引き出しから描いて見せてくれる。

デュトワの功績は、本当に大きいと思う。


昨日のコンサートでは、そんな豊かに成長したN響が、デュトワの棒に細かく応え、最初から最後まで素晴らしかった。

特に「ボレロ」の見事さときたら!

今回のスネアドラムは、可憐な女性の黒田さんだったのだが、なんとまぁその繊細にしてパワフルだったこと!!

以前からずっと「可愛いなぁ」と注目していた黒田さんだけれど、実は物凄いスーパー打楽器奏者だったことを知った。

演奏後もデュトワが立たせると、客席からはこの日最大級の爆発的な拍手とブラボーが沸き起こり、私まで胸が熱くなった。

ホルンとピッコロが共に演奏する場所でも、これまでに私が聴いた中で最高にピタリとあった、「まさにこれはオルガンの音よ」という響きが実現されていたし、他も全編にわたって漲るN響の本気!

それを引き出すデュトワは、やはりいつもながらにお洒落で老練な「魔術師」だった。




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終演後、ロビーに出ると、外の並木にイルミネーションが♪



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ちょっと目が痛くなるほど「青い」イルミネーションだねー



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原宿駅まで歩くと、表参道にも恒例の眩い光!



いよいよ年末になってきた。