Jin side 29-1.


正々堂々。

みんなに祝福されて、ヌナと幸せになるんだ。


*******


『改めて紹介するね、僕のヌナ』


ポカンとした顔が6つ...


NJ『僕の...』

HS『僕の...』

JM『僕の...』

TH『僕の...』

JK『僕の...』

YG『恥ずかしい言い方』


えっ...

えぇぇぇぇっっ!!?

マンネたちにここまでの言われよう!?


『僕のって...なんかちょっと変な感じ?』


ヌナから遠慮がちに指摘され、羞恥心は限界値を突破した。


『ヌナまでっ!!』


言いたかった。

こんなふうに言いたかったんだよぉ...


別に所有物、なんて思ってない。

僕だけの、ってわけでもない。


ただ。

僕は、ヌナに『私のジン』って言ってもらいたいくらい。

独占してほしいんだ。


そんなようなことをボソボソつらつら話してたら、あっという間に室内は6人の笑い声でいっぱいになった。


NJ『ヒョーン、分かります、分かりますよ?だけどもうそれは二人の時に言ってもらって』


HS『本当そう!なんでこんなところでわざわざ』


JM『ヒョンが独占したい気持ちとヌナに独占してもらいたい気持ちは表裏一体でね、それって...』


JK『はいはいっ!もうできたから話終わりねー』


ジミンが心理学的に何かを説こうとしたところへ、今日のランチがやってきた。

ヤンニョムチキンだ。

ジョングク、朝から気合い入れて仕込んだんだな。


話の腰を折られたジミンがジョングクを追い回す。



TH『あの!あの...』


『え?あ、はい』


不自然に視線を彷徨わせるのは、テヒョンがずっと考えていたことを発言する前触れだ。


TH『僕たちの、ヌナってことでもいいですか?その...ヒョンの大切なヌナってことは、僕たちみんなにとっても同じくらい大切ってことなので...』


一瞬、静まり返った空気を温めてくれたのはヌナだった。


『もちろん!そんな風に思ってもらえて、ジンのヌナになった甲斐があります』


ジンの...ヌナ...


『ヌナァァァ』


「わっ!ちょっとジンなに!」


ヌナを抱きしめてしまいそうになった僕を、ユンギが押し退けた。


YG『はい、終わり終わり〜メシ食うよ』


手際よく、食卓が整えられていく。

僕が意識転送から戻ってきた、あの日みたいだ。


僕が傷付けてしまったみんなを助けて。

それぞれに明るい未来を歩んで。


これでやっと。

僕は正々堂々。

ヌナと二人、幸せになれるんだ。

これが、僕のやりたかったことなんだ。


つづく→