Jin side26.
愛とは。
誰のためのものなのか。
*******
ヌナがあの日。
何も告げずに家を出ていったことについて。
僕が何を言える立場にもないことは承知の上で。
ヌナは、今も迷っているのだろうか。
僕と一緒にいることを。
ヌナは、今も気にしているのだろうか。
僕が、「過去」のために「現在」の何もかもを置き去りにしたことを。
JK『えっ!?当たり前じゃん!!』
今日。
心の内からポロポロと溢れる本音の受け皿となってくれているのはジョングクだ。
JK『あのさぁ...ヒョン相当ひどいことしてるよ、ヌナに。なんでもっと時間かけて、ゆっくりできないかなぁ?』
菜箸をぶんぶん振って苛立ちをぶつけてくる。
分かってる。
分かってるけど。
『早く取り戻したいんだ。「過去」に行ってた間の時間もだし、僕が「過去」に囚われていた時間も』
JK『ヒョンの気持ち分かるよ?でもまずはヌナの気持ち。ちゃんと聞かなきゃダメなんじゃない?』
NJ『ヒョンは意外と自分勝手に人を愛すんだね〜...おっ、キムチジョン』
仕事を一段落させてナムジュンが部屋に入ってきた。
今日のランチはジョングクのキムチジョンだ。
美味しすぎて、いつも何枚あっても足りない。
『自分...勝手か...』
ヌナも、僕のことそう思ってるのかな。
相手を愛することは自分のためなんだろうか。
相手を愛することは相手のためになるんだろうか。
相手を愛したいという、自分の欲のために相手を愛するのかな。
それじゃ。
愛って一体、なんのためにあるんだろう。
人は誰のために人を愛するんだろう。
あるはずのない答えを探していたら、目の前にあったはずのジョンを探す羽目になった。
JK『次焼くから、ちょっと待ってて』
僕はいま。
僕のためにヌナを愛してるってことになるのか?