↑ジンとヌナの心が時空を超えてリフレインします

40-2. Save me


→つづき


なんのための嘘なのか。

誰のための嘘なのか。


私自身を守るためだったはずなのに。

一番、私自身を傷つけているのかもしれない。


嘘を守る嘘を重ねていると、そんな自分の姿を俯瞰から見るようになる。


ジンのことだけを忘れたような、都合の良い忘却を演じるだけで良かったのに。


何を言っても。

何をしていても。

最近の私は嘘だらけな気がする。


「ジンを忘れる」ことに、がんじがらめに囚われ過ぎて、結局、心に常にジンを巡らせている。



ジン。

ジン。

ジン。


どうしてもっと怒らなかったんだろう。

どうしてもっと罵らなかったんだろう。

どんなひどい言葉も、どんな深い痛みも、きっとジンは全て受け入れてくれただろう。



勝手に想って。

勝手に離れて。


なのに、ずっと勝手に愛してしまっている。


だから、ジン。

今度会えたら、たくさん怒らせてね。

気の済むまで泣かせてね。

私のどんな感情も受け止めてね。


もし。

ジンの今の世界が。

私と同じように沈んだモノクロの底なら。


またその手をとってもいい?

また愛してもいい?






あぁ...

...あり得ない。

また。

あり得ない妄想。


ジンは自分自身を取り戻しに、「過去」へ意識転送した。


どうして、私に会いに来てくれるなんてこと、あると思える?


「バカだね、私...」



ドアを拭いながら、また涙が流れた。


私は。

どこで間違えたんだろう。

どこを間違えたんだろう。


いっそ。

ジンと二人だけの世界へ逃げ込められたら。



指先に力が入る。



「これ...もう拭いても取れない...」



ねぇ...

助けて...