JIN side 16.




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泣いて、泣いて、泣いて。


こんなに泣いたのは、ヌナと行ったあの公園での夜以来だ。



学生時代の自分の過ちのこと。


みんなの行方を追って愕然とし、生きる気力を失ったこと。


そんな中でヌナと出会ったこと。


タイムリープのこと。


二度目の過去で「彼女」と出会ったこと。


「過去」と「現在」とが混濁し始めたこと。


分かっていてジョングクを苦しめたこと。


「現在」に僕を見出せなくなったこと。


ヌナに何もかも知られるのが怖くて「過去」に逃げたこと。


「過去」に意識転送したこと。


そして、今。


どこから話せばいいか、うまく頭が働かず、ただポロポロとこぼれ出る言葉をみんなが繋ぎ合わせてくれた。


それをまとめて聞かせてくれたことで、僕も僕の輪郭を取り戻せそうな気がしてきた。


YG『ヒョン、できる限りその人に会えるように未来をなぞって生きるんだ』


未来を...なぞる?


TH『もしかしたら俺たちがいたら、そのヌナと出会えないかも知れない』


『そんなっ...じゃあ、もう僕たちは会えないってこと?』


すがるような思いでテヒョンの腕を掴む。


HS『ヒョン、違うよ。俺たちはちゃんと繋がってる。心がちゃんと繋がってるんだ』


穏やかなホソクの笑顔は、強張った心を解かすようだ。


JK『だからヒョンが「過去」へ戻ってきたこと、僕たちを守ってくれたこと、救ってくれたこと。全部覚えているんだよ』


『ジョングク...僕は救ったなんて...!』


いつの間にか、僕より逞しくなったジョングクに肩を抱かれ、また涙が出た。


NJ『大丈夫!あんなにめちゃくちゃだった「過去」から今この状態だよ?確実に上向きになってる』


赤ん坊をあやすように、ナムジュンが僕の両手を掴んで、天井へと突き向ける。


JM『心配しないで。ヒョン、今までありがとう。これからは、その大切な人と出会うために頑張って生きるんだ』


いつもは小さく見えるジミンのガッツポーズが、僕の心を最大限に励ましてくれる。


みんなの瞳が温かい光を放っている。

学生時代の、ただ鋭く差し込む光よりも、強く感じる。


みんな、優しくなった。

みんな、大人になった。

みんな、もっと強くなった。


なぁ。

少しだけ、自慢してもいい?

僕がみんなと関われたことで、あの頃よりみんなが幸せになれたって。

僕がみんなのために力になれたって。

僕がみんなの光になれたって。


...ありがとう...ありがとう...みんなのことも大切だけど、勝手だけど...やっぱりヌナに会いたいんだっ...


ヌナと出会うあの日、あの場所まで。


僕が、どうやって生きていけばいいのか。

答えは出ている。


ヌナ。

ヌナ。

ヌナ。


ずっと。

ずっと。

愛してたんだ。