JIN side 14-2.
→つづき
ジョングクの作ったラーメンは残っているわけもなかったけど、気付けばみんなの元へ辿り着いていた。
JM『戻ってくると思ってた。だからみんな帰らずここで待ってたんだよ』
『ジミナ...僕...彼女を怒らせたのかな...』
TH『とにかく中に入って、ヒョン』
HS『ユンギヒョン、ソファ場所空けて!』
テヒョンとホソクに両肩を支えられながら、ソファに深く腰を落とす。
YG『え...なんか昼前よりも更に生気ないじゃん』
NJ『ラーメン食べ損なったからかも...ジョングギ、何かないか?』
ソファの周りに集まってくれる仲間。
みんな優しいな。
そもそも、どうしてタイムリープしたか。
僕のせいでめちゃくちゃになってしまった、みんなの人生を少しでも救いたかったからだ。
そして伝えたかった。
ごめん、ありがとう、って。
それができるようになったのに、僕はちゃんと言ったかな?
ナムジュンに。
ユンギに。
ホソクに。
ジミンに。
テヒョンに。
そして何より...
ゴトッ
その音に驚いてパッと顔を上げると、テーブルの上にジョングクが山のように盛られたチャプチェの皿を置いたところだった。
湯気と共にごま油の香りが鼻を誘うけど、食欲に結びつかない。
YG『もう少し丁寧に置けよ』
ジョングクは、僕の目の前の椅子にドカッと座ると、下を向いたまま呟いた。
JK『…何回目?』
『...えっ...ごめん聞こえなかった。どうした?』
ジョングクは息を深く吐き出し、真っ直ぐ僕を見つめて言った。
JK『ヒョン、今日は何回目?今日を迎えるのは何回目?』
痛みを感じる間もなく、鼓動を止められたような気がした。
そうか。
僕が彼女に会うために、事故を起こしたことをジョングクは知っている。
いや。
その記憶があるんだ。
『ジョングクッ...僕はっ...』
言葉が出てこない。
言い訳の羅列を阻止するために喉が締まる。
YG『ヒョン』
ユンギの呼びかける声で、すぅっと血が引いていく。
分かっていなかったのは僕だけだった。
気付けずにいたのは僕だけだった。
あぁ。
みんな、もうそのつもりでここにいたんだ。
僕がタイムリープしてみんなに会ったこと。
その後に、もう一度生き直すために過去に戻ってきたこと。
YG『話そう、これまでのこと』