ブログとかまとめサイトの「前の記事、次の記事」が、どっちが新しくてどっちが古いのかよく分かんないきくっちゃんです。

こゆやつ。青い文字のとこね。
そもそもネットでの"次"ってのがどっちやねん。
普通の世界では"次"が最新だけど、ネット文書の時系列では"次"はいっこ昔に書かれたやつだもんね。
だれか世界統一してくれたのむ。



さて。また今回も長いです。
毎回ほんとすみません。
ただ、どうしても「1911年に突如あらわれ、そしてなぜか公式な記録には残されなかったとても明るい星」
のことを書きたかったのです。
おヒマな方はおつきあい下さいだよ。


みなさん月好きですよね?
あるいは、「月が好き」って言っとけばOKなとこありますよね?
もちろんきくっちゃんも大好きです。
しょったんも大好きみたいです。
すだっちは、奴もああ見えて案外、月とか天の川とかに大興奮します(キャラ設定模索中)。
そんなしょったんはこの夏、長野だか山梨だかの山の中に天の川を見に行きました。

<そのときの写真?> 夜撮れよ
そんなすだっちもこの夏、ハワイだかワイハーだかの山の上に天の川を見に行きました。

<そのときの写真> てか横誰だよ
そんなきくっちゃんはこの夏、鍵盤のケースに手袋を置いて「現代アートや!」ってけらけら笑ってました。

さて、、、本題。
天の川を(勝手に)見てきた二人は、口を揃えてこう言いました。
「・・・月うぜえ」
ばかですねー。
文系はいやですねー。
星空観測には新月、ってのが鉄則です。あるいは月の出入の時間を調べてうまくかわすとかね。
「チェックしてから行けよばかたれ」
って、きくっちゃんは思ったね。
だって、月ってもう、めちゃんこ明るいですもんね、ほかの星々にくらべて。

あ、月のことね。
結局ね、あいつはね、
ほんとは俺らの味方じゃないんすよ。
月ってさ、なんか勝手に「目だたない慎ましい方の可愛いやつ」的なキャラ設定になってますが、相当に明るいんですばかみたいに。
例えば、昼間に星が見えないのは、星がないからじゃなくって「太陽がばかみたいに明るい」からですよね。
本当は青空の向こうで、真夜中と同じだけの星が光ってるんです。
ただ、明るい太陽がおらおらーしてて見えなくなってるのです。
それと同じ。
月が出てたら当然見える星は激減します。
代表的な星の明るさで言うと、

(そこから、2.5倍ごとに等級が下がってゆき)





って感じなのですが、、、

そりゃ邪魔っすよね。
だからさー、あいつけっきょくやっぱ違うんすよ。
俺たちの味方じゃないんすよ。
所詮あっち側のやつなんすよ。
文字通りスターなんすよ。
だからあんまり馴れ馴れしくすんなよな。
まあそんなわけで、夕食ホットのかわいそうな文系の二人は、そんなバカみたいに眩しいの月のおかげで、正直そこまで天の川を完璧に楽しめたわけじゃなさそうですだ。
(しょったんは、月が出るまでに時間があったから充分綺麗だった!って言い張ってますが)



で、こうやって月の明るさを調べてて、ふと思ったことがあります。
それは、
明るさ、極端すぎん?
ってこと。
「そのへんの星」クラスと「太陽&月」の差。
一番明るいシリウスが-1.5等星で、月が-12.7等星で、太陽が-26.7等星です。
これ、英検で考えると分かりやすいっす。



(↑これくらいは理解出来ます)
で、問題の二人。


もう英検受けんなよ、って感じです。
なんかさ、もうちょい、月と星のあいだに「明るくてかっこいい天体」あってもええんちゃう?
って思います。
昼間もギリ見える、ちょっと背伸びすれば俺たちもなれそうな、小粋な天体。
てわけで調べました。

突然「半月と同じくらいの明るさ」の星が、世界各地の空で光り始めます。
この子、なんとそれから23日間は昼間でも見え、その後653日も夜空で輝き続けたそうです。
いいっすね。
日本では平安時代です。たくさんの文献が世界でも日本でも残っています。
正体は超新星。
いまではSN1054と呼ばれていて(Super Novaの略)、現在その残骸は

こんな感じになっています。
望遠鏡ではっきり見ることができ、「かに星雲」ってかわいい名前があります。

1911年1月27日。これまた夜空に突然「満月くらいの明るさの星」が光り始めました。
SN1911bと名付けられたそれはそれから52日間、昼間でも見える明るさだったようです。
それから、いろんなことが世界に起こりはじめました。
その直後の1月28日には普段おだやかなパリのセーヌ川で大氾濫が起き、それ以外にも各地で異常気象が多発したそうです。
さらに5月にはハレー彗星の尾の中を地球が通過し、世界各地でデマや混乱が起こりました。
また第一次世界大戦(1914~)へとつながる事件や政変などが、これまた世界各地で起こります。
さらにさらに、”オッドアイ”と呼ばれる左右で目の色が違う猫がそこかしこで産まれたそうです。
うーん。。。
奇妙なのは、これほどハッキリと誰もが目撃した天体現象であるにも関わらず、なぜか文献にはほとんど登場しないことです。公的な記録はもちろん、新聞やその他の媒体などにも載ってない。
たった100年前のことなのに、ぜんぜん記録がない。。。
実は天文学者というのは、望遠鏡を覗いたり計算したりするだけではなく、過去の文書や文学作品などを詳細にチェックし、「○○年に、どうやら世界各地で超新星が観測されたみたいだ」などと特定したりします。
ところがこのSN1911b関連の記録はほぼ皆無と言っていいくらいに残されていなかったのです。
ただ実際には、文学作品や美術作品という形で、それを記録しようとした人たちがちゃんと居るのです。巧妙にカムフラージュしながら。
有名なクロード・ドビュッシーの『月の光(原題:Clair de lune)』も、実はこのSN1911bのことを題材にした曲ではないかと言われています。後世に伝えるために。
(1910-1912年に作曲されたとされている)
見れない方のために一応リンク。
「月の光」と同じくらいに明るい奇妙な星。それをピアノで(こっそり)表現しんじゃねえのかこれ!って。
月の光ってレベルじゃねえぞこれ!って。
ドビュッシーは他にも『月の光が降り注ぐテラス(原題:La terrasse des audiences du clair de lune)』という意味深な題名の曲を1912年頃に作曲しています。
また、当時6歳だった画家サルバトーレ・ダリは、"月の横に同じくらいに明るく光る星の絵"を描いていたとされています(なぜか教会に没収された)。

<↑没収されたことを根にもつダリ>
さてそんな奇妙なSN1911b、実は1914年6月28日、
忽然と夜空から姿を消しました。
第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件の日です。
何の痕跡ものこさず、本当に消えてしまったそうです。
さきほどのSN1054と違い、この星の残骸は現在のところ観測されていません。
それどころか、
その痕跡を探査しようとする天文学者すらいない
のです。
なぜなのか。
この記事の最後に、なぜこのSN1911bが公式な記録に残されず、さらに痕跡すら観測されないのかをきくっちゃんが特別に発表したいと思います。
実はこの星、きくっちゃんがいま勝手に作った嘘だからなのです。
さらば。