夕食ホットの左側、きくっちゃん

ものをつくる人間が、作品(アウトプット)以外のことをあれこれ言うのって、見苦しいけど楽しいですよね。楽しいんです。へへ。
というわけで、言い訳にならない範囲で夕食ホットの音楽の作り方について書いてみようと思います。
まあこの話をしようとすると、どうしてもキイチという人間について語らなければならなくなるのだけれど、それは次回になりそうです(あ、そして今回相当まじめでつまんない記事です)。
そうだ。先に冗談を言っておこう。
「寝る子は粗雑」
音楽の楽しさとか、やる目的っていろいろあると思います。
で、夕食ホットなんですが、僕たち三人が一番やりたいこと。それは、風景を伝えることなんだと思っています。
違うか? 違ったらごめん真ん中と右よ。
物語、って言ってもいいし、質感、って言ってもいいかも知れない。でもやっぱり「風景」を伝えたい、が一番ぴんときます。
例えば、誰かに「別れましょう。さようなら」って言わなきゃいけない場面ってありますよね。
辛いこともあればせいせいすることもあるし、まーこれでえーかいな、くらいなときもあります。
で、どうにか勇気と無神経を振り絞って
「じゃあこれで、、、」
って言ったとします。
それを受け止めた彼女は無言で「わかった。今までありがとう」って言って、わりとすたすたと歩いてゆきます。すぐ先に交差点があり、でも歩行者信号は赤でした。その場所で背中を見せながら立っているのは辛いって思ったのでしょう。彼女は道路を渡るのをやめ、向きを変えて道沿いの歩道を立ち止まらずに歩いてゆきます。駅へは遠回りなのに。。。
僕はそれを、なんだかぼーっとただただ見ていたのですが、そこで、ちょっとびっくりするくらいに優しい風が、さーっと吹いてくるんです。
春物の薄手のコートが腰の辺りでふわーっと揺れて、そこではじめて僕はとても哀しくなるんです。そして同時になんだか身軽になったようなふうにも感じるんです。
さあ、ここまでで『例えば、誰かに~』から数えて426文字です。
じっくり風景を思い浮かべながら読むと、(スマホで測ってみたら)38.3秒かかりました。
でももし音楽ならこの風景を、うまくやればもっと少ない言葉で(てことはシンプルに)伝えられる気がするんです。赤信号がどうとか言わなくていい。
さようなら
あなたの後ろでいま、風が吹いたよ
春だね
注意深く言葉を摘み取って、
メロディを見つけて、
ピアノやギターやベースの音を綺麗に組み上げて、
そうすれば聴く人の心の中に、あるひとつの風景(というか質感みたいなもの)を浮かび上がらせることができる気がするんです。
その風景はもちろん、受取る人によってそれぞれ違うものになっているのでしょう。
でも、聴いて下さった中の何人かに一人は、次に別れを言うときに少し優しくなれるかも知れない。あるいは、振られたときに、あまり自分を責めなくてもよくなるかも知れない。そうであって欲しいなあ。
そんなことを思って、日々みんなであーだこーだやっております。
もちろん、
いっくぜー♪
EmさようなCらー
GあなたーDはー
EmふりーかD7えらないー
ベースはこうじゃん?べんべーん。 ドラムは八分、たったかたか。 ピアノは和音で、じゃかじゃーん、こんな感じ?
って、その辺に落ちてる言葉を拾って、手癖や決まった形で”伴奏”やっちゃうこともできるんですが、それだと「まともな曲」にはなっても、風景が伝わらないことが多い。うー、じゃあどうしよう。
っていちいち悩んでるんです。皆で。
きもいですか。
これ、すごくキモ楽しいです。
でもメンバー同士しょっちゅうけんかになるし、出来上がった曲は「うわーヘタクソなアレンジやなー」ってなっちゃうことも多いです。何より、そんなことに興味のない人からすれば
「おいおい何でそんなことやってんの?」
って思われちゃいます。
その結果、2番がなかったり転調が多くなったりライブで盛り上がらなかったり禿げたりお腹が出たり猫みたいな目になったり家族から面倒くさいて思われたり犬に噛まれたりします。
出来た曲にしても、自分たちでも正直、うーんこういうイメージじゃないんだよなあ、って反省することばっかりです。
こんなんならわざわざ僕たちが歌う意味ないやんか。って(世の中にはたくさん素敵な歌がありますからね)。
でも頑張るんだー。
やるんだー。
それはたぶん、非力でも何曲かが、ちょっとうまくいき始めてる手応えがあるからなんです。
そんなわけで、、、
せーの♪
ねえ 前を向こうよラララー 明日を夢見て 頑張るだけなのさー
(その辺に落ちてる言葉を拾っただけ、の例←こら)
次回ね~キイチ登場予定なのさールララー