このところ、風があって、寒い。
冬用の手袋をはめるようにしている。
加治丘陵の北コースは登りも下りもきついので、いつもはめったに人と出くわさないのだが、昨日はめずらしく3人の見知らぬ人に追い抜かれた。
その3人目がバックパックにくっつけているプラカードに追い抜きざま反応を示した。
「ガザのジェノサイドもやがて終わるぜ」
あんまり考えすぎるとからだにわるいぞと、忠告したいみたいだ。
「ふん」
ちっとも、考え過ぎちゃいねーさ。
「いつも、色んなプラをしょっているけど、おもろいかい?」
「まあね」
「そりゃよかった」
この2年ほどで思いがけないときに反応をくれたのは、わずか30人程度だ。街を歩いているときも、レジで並んでいるときも、山歩きをしているときも、プラカードを背負っているなんてまるで忘れているが、やはり反応があると、それはうれしい。
ありがとうと、ろれつがまわらなくなってからというもの、わたしはできるだけ身振りで答えることにしている。