雑草記10 野反湖 ワレモコウ
陽当りのよい山野や、田園地帯の道端に生える多年草。
北海道から九州、中国からシベリア、ヨーロッパまで広く分布する。
初夏に茎を出して高さ1m程になり、細く直立した茎の先端に穂状の花序を形成する。この花序は小さな花の集まりで上から下へ咲いていく。
この花は花弁はなく、4枚の暗紅色の萼片(がくへん)と4本の
雄しべからなる。
花の様で花ではないのです。
花弁のある花は短い時間で色あせたり、枯れたり、花が散ったりしてしまうが、「ワレモコウ」のように花弁がなく、萼自体の色が花の彩りを成しているものは長く色褪せない。
この「ワレモコウ」には白い「長穂の白吾木香」という仲間もある。
そう、「ワレモコウ」は、「吾木香」と書く。
その他にも数種類の漢字をあてた名前がある。
「割木瓜」や、俳句、和歌で使われる「吾亦紅」などがある。
バラ科のワレモコウ属。
なぜか、バラ科らしい。似ても似つかないと思うのだが・・・
学名はSanguisorba officinalis と言い、この Sanguisorba は、「血を吸収する」を意味し、根の部分にタンニンが多く含まれ、中国、西洋で昔から止血の薬として利用されたことによるらしい。
意外なことに薬効のある草花であった。
また、秋の十五夜のお月見には薄(すすき)とともに欠かせないものです。