冬に温度差があるとくしゃみや鼻水が出ることを不思議に思った。
そこで、ウィルスにもセンサーがあるのかを調べてみた。本来、ウィルスは生物ではなく、単なるたんぱく質の極小の塊である。生命活動もないし、思考能力や意思を持つことはないはずである。しかしながら、特定の細胞を見つけ出し、侵入のタイミングを計り、侵入場所や効果的な増殖を計るための高精度なセンサー機能が備わっているそうだ。物理的で化学反応的なそして、原始的な方法と仕組みではあるが、確実に機能しているようである。人間も生物であり、生命発生の太古の昔からウィルスと戦ってきた痕跡を体の中に残しているようである。
ウィルスの持つセンサーとは、
ひとつは、よく言われる「鍵と鍵穴」の機能である。ウィルスの殻の表面に持っているスパイク(鍵)状のたんぱく質が人間の細胞の受け口(鍵穴)に触れた瞬間感知して結合する。鍵と鍵穴がピタッとはまらないと結合しないのである。通常細胞の受け口は防護の弱い人間の粘膜に集中する。普通の皮膚からウィルスが侵入することはないし、付着しても結合することはできないのである。人間の防護の弱い粘膜があるのは、喉であり、鼻であり、時には目である。体内に侵入すると、喉であり肺である。この部分に取り付いて細胞内に侵入し増殖して最終的に破壊して炎症を起こすことになる。
次にウィルスの持つセンサーは、
環境の変化を察知するセンサー機能である。周囲の環境が合致すれば行動を開始する。反対に言うと体内に侵入しても環境が合致しなければ行動は開始されない(スイッチが入らない)のである。周囲の環境とは酸性度や温度などである。細胞内に侵入しても酸性度(ph値)の変化が合致しなければウィルスの殻を破壊して遺伝子の放出を開始しないし、体内温度の変化が合致しなければ細胞内での増殖のスイッチが入ることもない。例えば、臓器であっても胃や腸や大腸でウィルスが増殖することは少ない。たぶん、常に酸性の環境で温度変化が少ない環境ではいずれのスイッチも入らないのであろう(ノロウィルスなどは別)。
こう考えると粘膜を守ることがウィルスと戦うための最強の作戦なのである。
そのためのくしゃみであり、鼻水であり、咳であり、発熱なのである。人間がウィルスの侵入を阻止して戦っている証拠なのである。それなのにこれらを厄介者扱いにして、医者は対症療法でこれをなくそうとしているし、市販の薬はこれを止める効能をうたっている。本来であれば自分の身体に感謝してこの戦いを支援してやらなければならないのである。支援とは、安静にして体力を温存してウィルスを排除する行動を助けてやらなければならない、大いにくしゃみをして大いに鼻水を垂らして大いに咳をしてやらなければならない。
どのようなときにくしゃみ、鼻水が出るか自分の経験から考えてみた。
温度差があった時である。例えば、インフルエンザウィルスは冬場に発生しやすい。これは、温度差が大きくなるためだと思う。たぶんウィルスのセンサーは原始的で温度差の変化だけ察知しているのだろう。一定の温度のままであればセンサーのスイッチは入らないと思う。冬場の低い外気温と人間の体内温度の差で侵入すべき体内を感知しスイッチが入るのであろう。これを人間の身体は熟知している。よって、環境の温度差があるとくしゃみ、鼻水を出すようになっているのだろう。くしゃみは物理的に付着したウィルスを吹き飛ばすし、鼻水は粘膜の表面を保護してウィルスを洗い流す。
外気温のことを言えば、
体温との温度差を少なくすることである。よって、夏はウィルスに感染しにくいし、冬でも室内温度を適温に保っていればウィルスに感染しにくいと思う。室内でも暖かい部屋から寒い戸外や寒い部屋に移動した際の感染が一番可能性が高いと思う。まぁ、これはウィルスの体内への侵入を防ぐ意味であり、体内へ侵入した後は、人間の免疫本能に頼るしかない。免疫本能を高めておくことも重要である。免疫本能を高めるためには体温を上げる必要があり、このために体温を高くしている。これも防御本能である。高すぎるのは問題だが、通常であれば放置するのが自然でもあり、最良かもしれない。
細胞内に侵入したウィルスは、
細胞がウィルスを袋で包み込んで中に取り込み、袋の中を弱酸性に変化させ、やっつけようとするが、反対にウィルスはこの変化を感知して、形を変えてこの袋を突き破りさらに深部に侵入する。この酸性化は細胞の奥深くまで来たというサインになっているようである。こうしてウィルスは人間の細胞内で活動を開始し、細胞の機能を利用して大量に自己増殖し、最後は細胞そのものを破壊して外に飛び出しさらに別の細胞に取り付いてゆくのである。これを退治するのが人間の免疫細胞であるが、これにも限界があるし、限界を超えると暴走してあちこちを攻撃して炎症が拡大することになる。
ウィルスにも良いウィルスと悪いウィルスがいる。
悪さをする細菌をやっつけるウィルスがいる。コレラ菌や赤痢菌などの細菌に取り付いて細胞内でその機能を利用して増殖し、最終的に破壊してしまう。相手が違うだけで振る舞いは前述のウィルスそのものである。名前をファージと言い人体には無害である。地球上のあちこちに無尽蔵に存在し人間の体内にも存在する。特定の細胞をピンポイントで攻撃するので、次世代の画期的な治療法として注目されている。面白いものである。
ウィルスと人間の戦い
ウイルスは、外ではガッチリとした殻でガードされていて、体内に侵入しない限り機能開始することはない。ウィルスの仕組みは複雑怪奇で、このようなたんぱく質がこの世に現出したことは摩訶不思議ではあるが、実は、人間はこれと同じような機能を使って生命を維持している。その隙間に入り込んできて悪さをしているともいえる。最終的には健康的で強靭な身体を保持することに尽きる。健康的とは、体内の酸性とアルカリ性のバランスを保つことであり、この調整機能が崩れた時、様々な異常が発症する。そして人間の身体はあらゆるところにセンサーを持ち体全体で調整機能を発揮してリアルタイムに活動している。この自分の身体にもう一度心から感謝すべきである。