ウッドバッチ研修所 ボーイスカウト課程 大阪第151期 無事修了いたしました
文字通りの五月晴れに恵まれた今年のGW。
大型連休中は行事も少なく、さりとて家族総出で行楽に出かけるには子ども達も大きくなっているので、この期間を利用して、かねてより履修を希望していたウッドバッチ研修所に行って参りました。
私が所属しているのは、兵庫県連盟尼崎地区ですが、兵庫では5月の研修がないために、お隣の大阪連盟が主催する研修所に参加しました。
近畿圏から36名の精鋭スカウトと、私を含めて37名が研修を受ける側。
研修を行って下さるのは、所長以下11名の所員さんたち。
5月2日朝8時過ぎに到着した後、開所式もそこそこに早速講義が始まります。
オリエンテーションを含んだ昼食を取った後も講義。
午後3時半過ぎからテントサイトの設営と自炊による夕食、そして夜も講義。
習ったことを咀嚼する間もなく、次から次へと知識か、もしくは食べ物が詰め込まれる過密スケジュールです。
テントサイトに立てたジャンボリーテント。このテントは支柱を継ぎ足したり、抜いたりすることで高さを変えることが出来、フライシートにつり下げられたテントという単純な構造ですが、張り綱も多く、様々な季節、天候に対応できる頑丈でベーシックなテントと習いました。 二日目の朝、グランドシートを抜いて干している状況。
班には、ジャンボリーの他、ドーム型テント大小一つずつと、食堂用フライシートがサイトを快適に設営するための工具、炊具などとともに支給されます。
これは『たちかまど』といい、立って調理ができるようにこしらえたかまどです。
あとは竹や材木を並べたり、板を渡したりして、二つに割った灯油缶の上で薪を燃やします。
我がイヌ班はスカウト出身リーダーが20代3名、30代1名、子どもがスカウトに入って後にリーダーとなった、保護者リーダーが30代1名、40代1名、そして保護者リーダーに近い50歳(最年長!)の私の7名の構成で、5班それぞれ一人ずつ女性が入っています。
日頃馴染みのないジャンボリーテントの建て方や、たちかまどの組み方、ロープワークなどは、スカウト出身者に1日、いや1年以上の長があります。
水くみ場からポリタンクで水を汲んできて、トイレ以外の日常生活ができるようなサイトを、短時間のうちに快適に作り上げつつ、夕食の準備もしなければなりません。
団体行動ですから、遅れを取らないようにするのは勿論ですが、見ず知らずで、誰が何を出来るのか全くわからない状態から3時間半でなんとか食事と寝る準備を済ませて夜の講義が始まります。
4月中は天候が不安定で、季節外れの寒さが続いておりました。標高300m近いこのキャンプ地も、昼間は暑くもなく寒くもなく、快適でありましたが、夜になるに従って寒さがしんしんと身にしみてきます。
夜も9時を過ぎればズボンの上からジャージのズボンをはき、下着の上にシャツ、トレーナーを2枚重ねた上にウインドブレーカーを着てもまだ寒いという状態でした。
荷物になるのを嫌って、ロールマットをやめて薄いエアマットに換え、薄手のシュラフしか持ってこなかった私は、初日帆布製のジャンボリーテントで寝たのですが、夜中の1時過ぎから1時間毎に目が覚める程の寒さでした。
もちろん先ほどの重ね着のままシュラフにくるまって寝たのですが、これ以上は羽織るものも持っていません。
薄手のエアマットはいつしか空気が抜けてしまったようで、地面からしんしんと冷えが上がってくる状態で、まだ2時、まだ3時、まだ4時、と夜の明けるのが待ち遠しい一夜でした。
寝ている間に、明日はエアマットの下にあれば段ボール、なければ新聞紙をシュラフの中に敷こう、そうそう、ゴミ袋の中に落ち葉を詰めてこれを下に敷いて寝れば多分大丈夫、でも、いつそれをするか?果たしてそんな時間があるだろうか?などど考えを巡らせながら眠りをむさぼっていました。
朝の6時10分に朝食材が配給されること、まだまだ片付けやサイトの改良があることなどから、1時間前の5時10分に携帯電話のアラームをかけていたのですが、何度目かに時計を見たら4時59分。待ちかねた5時ですから思い切って飛び起きました。
時間の余裕というのは気持ちの余裕も生み出します。トイレと洗顔に降りてくる際にカメラを持ち、誰もいないキャンプ場を散策しました。
サイト入り口。青空が広がります。
右下には掲示板が置かれています。
獣の皮を模した掲示板です。
かつらぎ広場。右が国旗掲揚柱。左には各班毎に練習できるように掲揚柱が5本立っています。
2日目の講義では、ボーイスカウト活動のプログラムの作り方、隊と班の関係性、それぞれとプログラムの関係などを習い、それぞれに模擬隊集会のプログラムを作り、発表します。
結果、わたしたちイヌ班のAグループが出したプログラム案が3日目の実習に採用されることとなりました。
プログラムでは実際に3日目の午後に模擬隊集会で追跡ハイク(コンパスによる方位の測定と歩幅による距離の測定によって指示通りに進み、追跡サインを探してそれに従って進む)を行うのですが、その途中に生き物と植物のスケッチを1枚ずつ描くという複合技能を必要とするものです。
自然を観察する、追跡サインを見つけるという観察力、シルバコンパスと歩幅を使った方位と距離の計測力、追跡サインを覚えることで通信力を養い、班の結束力も高めようという欲張りなプログラムです。
講義が終わってから、プログラム内容の点検、班長研修、班集会、隊集会の計画書作成、3日目の講義日程の間を探して下見、設営の役割分担などを行って就寝したのは午前2時半を過ぎていました。
下見をするために5時10分のアラームで飛び起き、テントやシュラフ、フライシートを干し、身支度を調え、下見班、朝食準備班に分かれて準備開始です。
私たちが企画したプログラムに沿って、私たち自身が隊長となって各班に追跡ハイクを実施するための訓練を班長に施し、班長が班員にそれを伝える、という想定で、シルバコンパスの使い方、歩測のやり方、追跡サインについて訓練を行います。
その後、イヌ班は手分けして追跡ハイクのポイント毎に指示書を配置し、追跡サインを設置して準備完了です。
とはいえ、この夜のキャンプファイヤーで班毎に行うスタンツの準備もしなければいけません。
我がイヌ班は、多彩な人材が揃っていますので、プログラムもスタンツもひと味違ったものが出されます。
本当に素晴らしい仲間に恵まれた研修でした。
最初に渡された謎を解いた順番にラリーがスタートします。
サンライズの鐘の下で測位して、カイヅカの間を抜けてスタートです。
ここからは道が曲がりくねっていますので、追跡サインによって道案内です。
1時間の予定が、先頭班は30分もしないうちにコースを踏破して戻ってきました。
しかし、途中に仕掛けたダミーの鍵を持ってかえってきたために、正解がでなくて逆戻りです。
生半可に測位・測距すると、ウソの答えを手に入れていつまで経ってもゴール出来ないのがミソです。
この班は、先を急ぐあまりにスケッチを忘れ、ゴールを前にしてあわててスケッチしています。
でも、スケッチのできばえも評価に入るので、付け焼き刃では優勝できません。
生き物を、という課題に、途中で獲ってきたカタツムリをスケッチしています。
カタツムリのアップだけではなく自然観察には背景も必要なので、この班はタイムは上位でしたが、スケッチで他の班に抜かされてしまいました。
スケッチと途中でゲットした鍵をもとに組み立てた言葉を答えとして提出してようやくゴールです。
50分ぐらいで全班がゴールして、採点して丁度60分の予定時間内に実習模擬ハイクが終了しました。
最終日、これまでのまとめと振り返りをめいめい記入しています。
お弁当の昼食を食べた後、サイトの撤営です。
終わってみればあっという間の3泊4日でしたが、実に思い出深く学びの多い研修でした。
仲間の大切さ、素晴らしさ、電気もガスもインターネットもない環境で、普段何気なく暮らしていることの『有り難さ』を気づかせてもらい、命の洗濯ができた4日間でした。
この後、閉所式で修了証とウォッグル(皮でできたチーフリング、WB研修終了者の証)をいただき、再会を期して帰途に着きました。