こんばんは、「鎌倉 うごかす文庫」店主のおーじーです。

今日は昼間から。

「鎌倉 うごかす文庫」、はじめます。

「あなたは特定の宗教を信仰していますか?」

と問はれたとき、大半の日本人は、

「私は無宗教です」

と答えるでしょう。

 

しかし一方で、

「年のあたまに初詣に行きますか?」

「頂いたお守りをハサミで切り刻めますか?」

等々を尋ねると不思議な答えがかえってきます。

初詣に行ってご利益を与えてくれるのも、

お守りを粗末にして罰を与えるのも、

同じく「なにかしらの神様」です。

 

年はじめに多くの人々が初詣に出ている映像を見るたびに、

日本人とは何と宗教的な国民か、と感じざるを得ません。

 

戦後の復興期から平成にかけて

多くの日本人の心には決定的な神様がいました。

意外に思えるかもしれませんがそれは

「会社」です。

 

終身雇用、年功序列、厚生年金...

一度その組織に加われば、

自分と家族の命と生活を保障してくれるもの。

神社やお寺といった存在はだんだんと風景・鑑賞物へと変化し、

「会社」におけるルールやその中での処世術が

日本人にとっての宗教となっていきました。

昭和でいえば「会社人間」

平成でいえば「社畜」と言われた人間は、

ある意味で典型的な「宗教的日本人」です。

 

平成が終わりを告げようとしている今、

その宗教的な日本人たちは、宗教を見失ってしましました。

「会社」という神は、もはや私たちを救ってはくれません。

新しい元号が刻まれる新年は実は、

多くの日本人が「心の中にどんな神様をすえる」のかを

考え始めるきっかけとなるのかも知れません。

 

 

今年最後の本をご紹介します。

安岡正篤さんの『運命を創る』です。

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ここまで実は日本人がいかに宗教的な国民かを考えてきました。

「会社」という神が日本人に徹底的に叩き込んできた教えがあります。

「短期間で(すぐに、効率的に)」

「会社の利益となる(役に立つ、儲かる)もの」

この教えは実に強力な影響を私たちに与えています。

私たちは時間がかからないと実らないものを

次々と排除してしまっているのです。

 

書店では「最短で○○」といったスキル本が棚を占拠し、

古典、芸術、哲学などのいわゆる「教養本」は死滅しつつあります。

その結果、多くの日本人は「会社」以降の

「新たな神様」を見つけることが出来ません。

「会社」というたった一つの線しか持たなかった日本人たちは、

今も心の迷路をさ迷い続けています。

 

「内平かに外成る」(史記)

「地平かに天成る」(書経)

昭和期最高の知性と呼ばれた安岡正篤氏は、

その膨大なバックグラウンドから<平成>という元号を編まれました。

安岡氏の著書を読むたび、あらゆる学問とは、

「自分とは何者で」

「どこからきて、どこにいくのか」

「それをふまえて、この人生でなにを為すのか」

に通じることが分かります。

 

「教養(リベラル・アーツ)」とは

「リベラル(自由になるための)」「アーツ(技術)」と訳します。

この年末年始ぜひ、

時間はかかるけど、人生の道しるべとなるもの、に

少しでも触れてみて下さい。

きっとあなたの前にあらたな扉が現れるハズです。

 

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最先端の代名詞のようなスティーブ・ジョブズですが、
彼が若い頃ひたすら学んでいたものが、
カリグラフィ(外国版の硬筆習字のようなもの)
PCやITといったものと全く関係のないその一見無駄な教養は、
やがてアップル製品のフォントやデザインへのこだわりへと昇華されました。
いくつもの引き出しを持つことが、
実は今、何より必要とされているのかも知れません。
 
 

※『運命を創る』安岡正篤さん著は、鎌倉うごかす文庫の新着本のコーナーにもアップいたします。

気になられた方はチラ見してみて下さい。

 

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