かなり久々のブログです。
遂にって感じですが、中国共産党が国家の威信を賭けた高速鉄道で事故が起きてしまいました。
事故発生から事故処理に至るまで一連の報道を見てきましたが、日本人には不可解なことばかりでした。
この事故を読み解くには、鉄道技術の知識から中華人民共和国の国家体制、中国に於ける思想までをある程度理解する必要があるようです。
っということで、知る限りの少ない知識で纏めてみました。
先ず、鉄道技術の面で事故を考察すると一番ありえない事故だと言うことです。
はっきり言って通常の在来線でもありえない事故なんです、追突事故というのは。
鉄道を安全に運行するための概念、基本的なルールは万国共通なのです。
実は鉄道の路線と言うのは、長い線路を細切れにして一つのセクションの繋がりとして考えて運行しているのです。
この細切れにされたセクションは閉塞と呼びます。(因みに鉄道業界で「セクション」と言うと、架線の給電区間(管轄変電所)の変わり目に設置された架線のつなぎ目を意味します。)
鉄のレールの上を鉄の車輪で走る鉄道は自動車のようには止まれません。
普通乗用車なら60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約44mなのですが、鉄道車輌ですと60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約125mもかかるのです。
感覚的に言えば、アイスバーンの上をノーマルタイヤで走行しているような状態なのです。
そこで、追突事故を防止するために閉塞の変わり目に信号を設置して、一閉塞一列車(一つのセクションには一編成の列車しか進入を許さない)の法則 を採用しています。(因みに鉄道の信号は赤→黄→青の順に点灯します。赤黄青の三現示式信号は、直前の列車が一つ前の閉塞に列車がいれば赤、二つ先にいる ときは黄、三つ以上先にいるときは青を現示します)
合わせて、運転士が信号を見落とすヒューマンエラーをカバーするために自動列車停止装置(ATS)を搭載しており、信号無視しても自動停車するようになっています。
列車運行の原則は上記を基に構築されており、物理的に線路を区切って閉塞としている場合と、東京の山手線のように列車同士の距離間隔を随時計測し理論的に閉塞をつくり列車内の信号で制御するタイプがあります。
更に、高速で走行する新幹線にはATSの進化版とも言うべき、列車の速度までコントロール出来る自動列車制御装置(ATC)を採用しています。(ニュースが言う「制御装置」とは、多くはATCのことをさしているのですね。)
また路線全体の運行状況を監視し、各列車に指示を出す運転指令室(管制室)ではベテラン鉄道員が常時詰めて列車集中制御装置(CTC)で信号や切換ポイントを集中コントロールしています。勿論これは遠隔操作で列車を停止させることもできます。
つまり、運転士が無茶しても列車が自動的に減速し最終的に直前の列車に追突することなく停車するシステムになっているのです。
ですが、一閉塞一列車の原則を厳守してしまうと増結運転(二つの列車を連結して一編成に組み直す運行)に対応出来ない為、例外的に駅長や専任係員 といった信号操作権限をもった係員が誘導信号を発し一閉塞に二つ目の列車を進入させることがあります。(もっと例外を挙げると、車庫に入庫するときなどは 一閉塞一列車の原則は適用しませんが・・・。それでも、速度コントロールは有効です。)
この際には、列車の進行速度や停止位置など運用面での厳しい取り決めがなされています。
おそらく中国高速鉄道といえども、ATCは採用しているはずです。(してなかったら、逆の意味で斬新すぎます。)
本来高速鉄道は厳格な二重三重のバックアップシステムが施してあるはずなので、営業運転中追突事故を起こすことは常識的にありえないのです。
中国メディアの発表によると「落雷で先行列車が動力を失って走れなくなり、後続列車が追突して、脱線事故が発生した」とのこと。(これも本当かどうかかなり怪しいと日本的には思いますが、本当かもしれないところが逆に恐いです。)
基本的に近代の車両は落雷の直撃を受けても避雷器がアースの役割を果たし、車両自体にはダメージが無い筈です。(過去に避雷器が設置されているにもかかわらず、電流が車内に侵入(入雷といいます。)し運転士が感電した事故がありましたが、かなりのレアケースです。)
この発表を信用するならば、一番あり得ない事故を起こしてしまった事になります。
そこでこの一番あり得ない事故原因を逆算で推測すると、ATCなどの防護システムをOFFにして運行していた場合を除いては、閉塞信号もATCなどの防護システムも全く機能していなかった事になります。
あわせて、運行指令(列車管制室)は先行列車が動力を失って走れなくなった時点で、的確な指示や処置を施していなかったと言う三つの原因が重なって発生した重大事故と言うことになるのです。
これでは、とてもじゃないですが旅客輸送を行う資格はありません。
残る原因としては、追突した列車に乗務していた運転士が勝手にATCなどの防護システムをOFFにして運行していた上に運行指令の指示を無視して走行していた可能性です。
これだと、教育や人事的な問題のウェイトが重くなります。
更に、追突された列車乗務員が、列車防護無線(無線式の緊急停止信号)を発報しなかったのではなかったと言うことが推測されるわけです。
つまり、乗務員への運行ダイヤやトラブル発生時の安全確保等の基礎教育が出来ていなかった可能性が高いわけです。
もっと基本的なことをツッコむと、運輸業に従事する心得すらなってないのではと思うわけです。
仮に鉄道の信号機が何も点灯していなく、且つ運用停止中の標識も掲げて無い場合に運転士は赤を現示しているものと判断し列車を停止させます。
更に身近な例ですと、仮に山手線外回り池袋駅の非常停止ボタンが押された場合、即座に関連路線を走行中の全列車に無線で停止信号が発せられます。(乗務員室から「ピロロロ・・・」と信号音が聞こえることがありますね)
信号を感知した運転士は即座に列車を停止させます。
停止する列車は、山手線外回りだけでなく、内回りの列車も止まります。
池袋付近を走行中の列車だけでなく、東京駅付近を走行中の列車も止まります。
おまけに、走行する線路が異なるものの一部の路線か山手線と併走する埼京線や湘南新宿ラインまで止まります。
とにかく原因詳細が判明し、運転指令が安全確認を完了するまで、とにかく列車を止めるのです。
鉄道は人命が掛かっている業種故に、疑わしい時はとにかく停止し安全を確保という精神で運営されているのです。
ここまでで、追突事故を起こす為には車両には避雷器を設置しないで、運転指令は仕事をさぼり運転士も車掌も鉄道運行の概念そっちのけで、閉塞信号は無くATC(もしかしたらATO(自動列車運転装置)?)も付いていないか作動しない状況を揃えなければ追突事故を起こすことが出来ないことが分かるはずです。(世界的な高速鉄道業の常識の範囲で言えばですが。)
事故処理の際に先頭車両の運転室部分を粉砕し埋めてましたが、技術漏洩防止のためではなく都合の悪い事を隠蔽するための方が大きいのかなと思ってしまいます。
とにもかくにも不思議な事故です・・・。
遂にって感じですが、中国共産党が国家の威信を賭けた高速鉄道で事故が起きてしまいました。
事故発生から事故処理に至るまで一連の報道を見てきましたが、日本人には不可解なことばかりでした。
この事故を読み解くには、鉄道技術の知識から中華人民共和国の国家体制、中国に於ける思想までをある程度理解する必要があるようです。
っということで、知る限りの少ない知識で纏めてみました。
先ず、鉄道技術の面で事故を考察すると一番ありえない事故だと言うことです。
はっきり言って通常の在来線でもありえない事故なんです、追突事故というのは。
鉄道を安全に運行するための概念、基本的なルールは万国共通なのです。
実は鉄道の路線と言うのは、長い線路を細切れにして一つのセクションの繋がりとして考えて運行しているのです。
この細切れにされたセクションは閉塞と呼びます。(因みに鉄道業界で「セクション」と言うと、架線の給電区間(管轄変電所)の変わり目に設置された架線のつなぎ目を意味します。)
鉄のレールの上を鉄の車輪で走る鉄道は自動車のようには止まれません。
普通乗用車なら60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約44mなのですが、鉄道車輌ですと60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約125mもかかるのです。
感覚的に言えば、アイスバーンの上をノーマルタイヤで走行しているような状態なのです。
そこで、追突事故を防止するために閉塞の変わり目に信号を設置して、一閉塞一列車(一つのセクションには一編成の列車しか進入を許さない)の法則 を採用しています。(因みに鉄道の信号は赤→黄→青の順に点灯します。赤黄青の三現示式信号は、直前の列車が一つ前の閉塞に列車がいれば赤、二つ先にいる ときは黄、三つ以上先にいるときは青を現示します)
合わせて、運転士が信号を見落とすヒューマンエラーをカバーするために自動列車停止装置(ATS)を搭載しており、信号無視しても自動停車するようになっています。
列車運行の原則は上記を基に構築されており、物理的に線路を区切って閉塞としている場合と、東京の山手線のように列車同士の距離間隔を随時計測し理論的に閉塞をつくり列車内の信号で制御するタイプがあります。
更に、高速で走行する新幹線にはATSの進化版とも言うべき、列車の速度までコントロール出来る自動列車制御装置(ATC)を採用しています。(ニュースが言う「制御装置」とは、多くはATCのことをさしているのですね。)
また路線全体の運行状況を監視し、各列車に指示を出す運転指令室(管制室)ではベテラン鉄道員が常時詰めて列車集中制御装置(CTC)で信号や切換ポイントを集中コントロールしています。勿論これは遠隔操作で列車を停止させることもできます。
つまり、運転士が無茶しても列車が自動的に減速し最終的に直前の列車に追突することなく停車するシステムになっているのです。
ですが、一閉塞一列車の原則を厳守してしまうと増結運転(二つの列車を連結して一編成に組み直す運行)に対応出来ない為、例外的に駅長や専任係員 といった信号操作権限をもった係員が誘導信号を発し一閉塞に二つ目の列車を進入させることがあります。(もっと例外を挙げると、車庫に入庫するときなどは 一閉塞一列車の原則は適用しませんが・・・。それでも、速度コントロールは有効です。)
この際には、列車の進行速度や停止位置など運用面での厳しい取り決めがなされています。
おそらく中国高速鉄道といえども、ATCは採用しているはずです。(してなかったら、逆の意味で斬新すぎます。)
本来高速鉄道は厳格な二重三重のバックアップシステムが施してあるはずなので、営業運転中追突事故を起こすことは常識的にありえないのです。
中国メディアの発表によると「落雷で先行列車が動力を失って走れなくなり、後続列車が追突して、脱線事故が発生した」とのこと。(これも本当かどうかかなり怪しいと日本的には思いますが、本当かもしれないところが逆に恐いです。)
基本的に近代の車両は落雷の直撃を受けても避雷器がアースの役割を果たし、車両自体にはダメージが無い筈です。(過去に避雷器が設置されているにもかかわらず、電流が車内に侵入(入雷といいます。)し運転士が感電した事故がありましたが、かなりのレアケースです。)
この発表を信用するならば、一番あり得ない事故を起こしてしまった事になります。
そこでこの一番あり得ない事故原因を逆算で推測すると、ATCなどの防護システムをOFFにして運行していた場合を除いては、閉塞信号もATCなどの防護システムも全く機能していなかった事になります。
あわせて、運行指令(列車管制室)は先行列車が動力を失って走れなくなった時点で、的確な指示や処置を施していなかったと言う三つの原因が重なって発生した重大事故と言うことになるのです。
これでは、とてもじゃないですが旅客輸送を行う資格はありません。
残る原因としては、追突した列車に乗務していた運転士が勝手にATCなどの防護システムをOFFにして運行していた上に運行指令の指示を無視して走行していた可能性です。
これだと、教育や人事的な問題のウェイトが重くなります。
更に、追突された列車乗務員が、列車防護無線(無線式の緊急停止信号)を発報しなかったのではなかったと言うことが推測されるわけです。
つまり、乗務員への運行ダイヤやトラブル発生時の安全確保等の基礎教育が出来ていなかった可能性が高いわけです。
もっと基本的なことをツッコむと、運輸業に従事する心得すらなってないのではと思うわけです。
仮に鉄道の信号機が何も点灯していなく、且つ運用停止中の標識も掲げて無い場合に運転士は赤を現示しているものと判断し列車を停止させます。
更に身近な例ですと、仮に山手線外回り池袋駅の非常停止ボタンが押された場合、即座に関連路線を走行中の全列車に無線で停止信号が発せられます。(乗務員室から「ピロロロ・・・」と信号音が聞こえることがありますね)
信号を感知した運転士は即座に列車を停止させます。
停止する列車は、山手線外回りだけでなく、内回りの列車も止まります。
池袋付近を走行中の列車だけでなく、東京駅付近を走行中の列車も止まります。
おまけに、走行する線路が異なるものの一部の路線か山手線と併走する埼京線や湘南新宿ラインまで止まります。
とにかく原因詳細が判明し、運転指令が安全確認を完了するまで、とにかく列車を止めるのです。
鉄道は人命が掛かっている業種故に、疑わしい時はとにかく停止し安全を確保という精神で運営されているのです。
ここまでで、追突事故を起こす為には車両には避雷器を設置しないで、運転指令は仕事をさぼり運転士も車掌も鉄道運行の概念そっちのけで、閉塞信号は無くATC(もしかしたらATO(自動列車運転装置)?)も付いていないか作動しない状況を揃えなければ追突事故を起こすことが出来ないことが分かるはずです。(世界的な高速鉄道業の常識の範囲で言えばですが。)
事故処理の際に先頭車両の運転室部分を粉砕し埋めてましたが、技術漏洩防止のためではなく都合の悪い事を隠蔽するための方が大きいのかなと思ってしまいます。
とにもかくにも不思議な事故です・・・。