陰陽師の解剖図鑑
陰陽師というと、小説や映画のなかのイメージが強いと思います。
「陰陽師の解剖図鑑」では、呪術や逸話だけでなく、別の視点で書かれているのかな・・・?、と思い、興味のある分野でもあるので購入してみました。
解剖図鑑というだけあって、いろいろなテーマに分けて書かれています。
第一章 陰陽師の役割と貴族社会
第二章 陰陽師のスーパースター 安倍晴明
第三章 陰陽師のスターたち
第四章 陰陽道と陰陽師の歴史Ⅰ
第五章 陰陽道と陰陽師の歴史Ⅱ
第六章 実際に使える陰陽道
第六章の実際に使える陰陽道は、ごく普通に知られている陰陽五行や風水に関する内容ですので、陰陽道の手技を知りたい方向けの内容ではありません。
この本は、安倍晴明だけではなく、陰陽道について考察した本の内容となっています。
陰陽師の衰退と実際について
ちょっと違和感のあったことが、この本を読んで納得しました。
陰陽師は、陰陽寮に所属する官僚であり、その後、土御門神道に受け継がれたものと思っていました。
「1870年、土御門神道の活動は文明開化にそぐわないとして免許が剥奪され、1871年にはグレゴリオ暦の採用を見越し、土御門家の造暦の権利を剥奪、官名や帯刀の権利も奪われた。」
とあることからも、西洋化に都合の悪いことは全て解体された時代だったということなのでしょう。
しかし、今も陰陽師を名乗る方がいるので違和感が・・・。
実は、官僚陰陽師のほかに、法師陰陽師や民間で主に呪術を専門とする隠れ陰陽師が存在したということからも、陰陽師=官僚陰陽師と思っていた私にとって、陰陽師を名乗る理由が、少し理解できました。