私は 三味線を持って居ました。
箏曲を習っていて
師範の免状をとるのに
合奏において
地唄三味線(中棹)と 琴
【三絃と十三弦】と十七弦の
演奏ができることが条件でした。
十七弦も持っていて
演奏会では
三種類の弦を 曲目別に 弾いていました。
十七弦は 四弦多い分
お琴よりも 数回り大きくて 低音です。
糸も太くて 音をだすのに力が要りますが
慣れれば お琴と同じ姿勢での演奏です。
三絃は 姿勢が大切です。
特に 地唄用は撥が大きくて厚いので
持つときに指が痺れそうで
背筋を伸ばして 正座して演奏するのですが
慣れるまでは アッチコッチ痛くなりました。
私は いつまで経っても 三味線は 苦手でした。
何故だか不思議なくらい 練習が億劫でした。
それでも 結婚前までは
毎年の演奏会で弾いてはいましたけど……
結婚 出産で 演奏会から遠ざかり
お稽古も休んでいて
もう 十七弦は 弾くことはないと
先生に お譲りしました。
演奏したくても 持っていない後輩に
弾いて欲しくて。
そして 三味線も
娘は お琴は弾くようになっていましたが
三味線は 興味がなくて
私も 教えてあげるほどの腕がありませんから
先生にお譲りしました。
やはり 頑張っている後輩に
練習して欲しくて。
手放して わかったことは
弾くときに いつも心に引っかかっていた
三味線の皮の猫さんのこと。
一生懸命に 上手になりたいと
練習に励んでいたときは
正直 それほど感じなくて居たのですが
練習を休んで 仕事が忙しく
義父の介護もありで
お琴は 立て掛けたままで
三味線は ケースに入れたままの日々で
ふと 時間が空いたときに
お琴は 弾きたくなるのですが
三味線は だすのが辛くなってしまいました。
今も 手放して惜しくないです。
伝統は 大切ですが
人工皮で充分です。
お琴も 細工に象牙があったり
三味線の撥も 象牙や鼈甲の物もあります。
昔から 人間は食べ物だけでなくて
動物たちを犠牲にして
暮らしてきたのですね。
代替品が 発明される時代です。
動物の犠牲のない暮らしができる時代です。
人類の智慧を活かして
命の犠牲のない社会に 変化していく
未来へ。