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エルパは『見本品』と書かれた
朱色のワッペンが、お気に入りだった。
なぜなら、
このワッペンを持っているのが、エルパだけだったから。
このワッペンは、特別な者だけに与えられた
特別のモノだったからだ。
エルパは、みんなからよく見えるよう、お腹のあたりにそれを貼り、
素知らぬ顔をするのが、大好きだった。
「エルパさん、それは何ですか?」
通りがかりの人がそんな風に尋ねるとエルパは
「え?なになに? あー、これね~」とお決まりのセリフを言い
「なんかね、これは特別なワッペンなんだって。
ほら、ボクって特別でしょ?だかららしいよ。
ボクもよく知らないんだけどね~」
今日もエルパはご機嫌。
ご機嫌なことを隠してるけど、ご機嫌なんだ。
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