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連日の酷暑
皆さん、さぞかし過ごしにくかろうとお察しいたします。

 でも、やっと来た夏、でもあるんですよね。
 今年の梅雨明けは取り分けてゆったりだったけど、それだけにバカンスに託した楽しみへの期待もひとしお。

 そうして巡りくる連年の夏、例外なく忘れられない一曲、主任には色々あります。
 今回もそんな中の一曲、クローズアップさせていただきます。

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鴉鷺というシンガーユニット、皆さんご存知でしょうか?

 恐らく、ご存知の方をカウントする方が楽ちんでしょうね(苦笑)
 でも、トワ・エ・モワをご存知の方は少なくないことでしょう。
 「誰もいない海」などのヒットで著名なそのトワ・エ・モワが1973年に解散後、芥川澄夫氏のパートナーであった白鳥恵美子氏がグループサウンズユニットジャッキー吉川とブルー・コメッツのベーシストだった白鳥健二氏とゴールイン、芸能界復帰の分岐点として数年後のソロ活動に至るまで臨時結成されていたのが鴉鷺なのです。

 そうした所以のため、ユニット名のみならず、歌曲の類も非常にマイナーな印象のある鴉鷺。
 恥ずかしながら主任は、酷似した母音のガロ、とごっちゃにしていたりもしていたのですが、その鴉鷺が1992年にビクターレコード社よりひっそりシングルリリース。

後々主任が購入したベスト盤CDにも収録されていたのが
「ひまわり」でした。

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 作詞・作曲を白鳥澄夫のPNで恵美子さんの伴侶たる健二さんが手掛けられ、編曲をQuncho and Chujiとのソウルデュオで今もご活躍中の長岡忠治氏が担当された「ひまわり」は、陽炎立つ真夏をバック、一人の若者が垣間見る恋を歌ったもの。

 早咲きの向日葵が熱風に揺れる初夏、さなかを歩みゆく主人公。
 傍らに歩みを同じくする想い人にその胸の中の意を告げんとするものの、肝心の相手は意識することなく時に無邪気に、時に大人びたスタンスではぐらかす。
 それが一層、想いを強くするも、どうにもならないもどかしさだけが立ち込め、ただただ二人は、夢ともうつつともつかない幻想的な真夏の道を歩き続ける。

 ベスト盤の10番手として収録されている当ナンバーを主任が初めて耳にしたのは、既に初恋も失恋も過去の逸物として胸の奥深くしまい込んだ社会人の夏。
 何気にスイッチを入れたお昼のNHK-FMより突然流れ始めてきたのです。
 瞬間、脳内に蘇る、かつての初恋の相手の笑顔。
 告白して残酷な現実を思い知らされた「あの日」の夕暮れ。
 しかしそれは決して不快なものではなく、以来音源を探す連日。
 既述のようにガロとの聞き違い、勘違いで難航したものの、紆余曲折を経て、まだまだ健在だった頃の秋葉原は石丸電器でベスト盤を発見したのです。

 その日もまた、夕刻までギラギラと照り付ける酷暑日。
 それだけに帰宅後、キンキンに冷え切ったエアコンの自室でループする甘く、幻想的な歌詞とメロディは、幾度となく主任を酔いしれさせたものでした。

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幾度とない既述ですが、主任は生涯独り身を貫く覚悟の独身貴族です。

 恐らくこの先、異性とのご縁はどうあっても皆無でしょう。
 もとい、ご縁に恵まれたとして、自らそれをうやむやにしてしまうコトと思います。
 でも、この「ひまわり」を聴くときだけは、美酒に酔いしれるが如く、恋に恋した少年時代にいつも戻るのです。

 2017年は7月も早や、後半。
 やがて訪れる8月はいよいよ厳しい暑さに見舞われることでしょう。
 そしてその折にもきっと主任、「ひまわり」の幻想を求めることと思います。
 今いる自分が自分であることを、しっかりと自覚するために。