マシンの不調に伴い、スキャナーが此処のところ使用不可だったので、フィギュアとコラージュの記事にやや傾倒していましたが、何とか一部の経路を開き、小康状態に持ち込むことができたため、少しはバランスも良くなるかと思われます。
まあ、遅かれ早かれ裁断は下さなければならないでしょうが。
閑話休題。
藪から棒ですが特撮にご興味の皆さん、
「仮面ライダー響鬼」はお好きですか?
まあ、キリヤの是非に関してはともかく、EDは残してほしかったけどね。
その「響鬼」が、講談社キャラクター文庫よりリリースの「平成ライダーシリーズ」ノヴェライズ路線におけるラインナップとして、例外なく面を連ねております。
ということで、今回はTVシリーズ前半で脚本に名を連ねられていたきだつよし氏の筆によるライトノベル版「仮面ライダー響鬼」のご紹介に上がりたいと思います。

時は戦国の世が終わり江戸幕府の支配が確立したころ。
響鬼たち鬼の一族は吉野の里に隠れ棲み、魔化魍の浄化に努めていた。
父の無念を晴らすべく鷹の化身となって血車党殲滅を目論む変身忍者嵐。
運命的な出会いを果たした二人には過酷な戦いが待っていた!
〈背表紙解説より引用〉
抜粋文面より察せられるとおり、本編の一番のキモとなるのは、平成ライダーシリーズの一環ではなく、前作「剣」を最後の一作に据えての新たな石ノ森路線のパイオニアとして開拓素材に求められていた「変身忍者嵐」が絡んでくる点です。
TV本編でも第36話登場の「鬼の鎧」モチーフに嵐が意識されていたり、映画「仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼」では戦国時代の魔化魍集団がシンジケート化した「血狂魔党」が登場したり(怪人ヒトツミのモチーフに血車魔神斎が取り入れられていたりもしている)、少なからず影響は残されていましたが、今回のノヴェライズでは完全共演の形をとっています。
きだ先生がリアルの「嵐」世代からはやや離れた方(主任も再放送やVTRでの知識しかないですが)であるせいもあってか、血車党壊滅後の世界観とはありながら、大魔王サタンと悪魔道人率いる西洋妖怪軍団の存在がオミットされていたり、それに伴う謎の戦士「月の輪」の共闘、TV最終回でサタンの束縛から解放された嵐=谷のハヤテの母シノブの存命などもなかったことになっているなど、熱烈なファンにはやや首をひねらずにいられないスポットもちょくちょく。
「響鬼」サイドにしても、先の劇場版に続いて江戸時代にも響鬼を継承する若者が存在していた設定はいいとして、鬼たちの本拠地「吉野」の存在があちこち矛盾点を生じていたり、従来の「頼れる大人」像としての響鬼のイメージとかなりかけ離れた主人公になっていたりと、かなり違和感あり。
とはいえストーリー仕立ては総合的に見て、非常に面白く、一度読み始めたら止まりません。
TV本編ではあやふやなまま舞台から消えてしまったタツマキ親子が無駄なく物語に絡められているし、自然の瘴気から生をなす魔化魍は倒せても化身忍者を斬ることのできない響鬼の葛藤、意外な人物による新生「血車党」との最終決戦では「鬼の鎧」による「13人の仮面ライダー」が展開するなど、怒涛の勢いで読者を引き込んでいきます。
後日談として、元祖「仮面ライダー」の世界観にリンクしていく、というのも心憎いばかり。
「響鬼」本編を愛せなかった方も、「嵐」を全くご存じない方々も、少しでも惹かれるものを感じられたら是非ご一読を。
決して損はさせませんよ♪

蛇足ながら、例年よりまた一カ月遅れのスタートになるTVシリーズ最新作「仮面ライダー鎧武」のショート紹介、昨日のニチアサ夏休みスペシャルの中途でなされていましたが…何だかビミョーですねえ?
何故、戦国武将?いやいや、それ以前にフルーツって何よ?
まあ、一度でも本編を見てみない限り、下手ななまじ評価は出来ないのですが、素材に似通った部分があるのも含め、主任的にはどうしても「響鬼」が懐かしく思えてしまいます。
あれこれあちこちで、衝突や絶賛も含め、話題に事欠くことのない「平成仮面ライダーシリーズ」…この先、どうなるのでしょうね。