なーんて書くと、イミフとか、大袈裟とか、言われるかもですが…。
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 現在放送中の「スイートプリキュア♪」、皆さんご覧になってますか?
 まあ、基本的に今回扱う様な話題に明るい層の方々の殆どが、恐らくご覧になっていないかと思いますが…主任は見てます(苦笑)。
 開始直後はあまりWEB上での評価は芳しくありませんでしたが、最近は割と上昇気味の様で、主任にしてみると中途までいい展開だと思っていながら最終回で裏切られた前作「ハートキャッチプリキュア」よりいい感じに思っています。
 人それぞれ、で強制はしませんけどね。
 
 で、その、どうして刑事ドラマ主題歌の話題なのに、こんな切り出しなのか、と言うと、そのスイートプリキュア、回を重ねて角が取れてきて、息もぴったり気味になっていますが、メインヒロインの響と奏は何かと衝突しがちで、基本的には親友同士であるものの始終口喧嘩ばっかりしているんです。
 特撮物のファンであればこうしたパターンって、ややオールド層の大半が「超人バロム・1」猛と健太郎と彷彿とされるでしょうが、いがみ合っていると変身さえできない、と言うところまでバロム・1と同じ。一等初めの「ふたりはプリキュア」でもちょっとだけ、そんなエッセンスはあったけど、確か一回こっきりのエピソードで終わってたはず。主人公同士が仲が悪い、ってのはスイートが初めてじゃないかと。
 
 で、本題に行くんですが。
 
 詳しくはリンク先を参照して戴きたく思いますが、ごく普通にファンの間で「二人の事件簿シリーズ」と呼ばれる刑事ドラマは、主演に大映ニューフェイス第18期生にして「ウルトラマンタロウ」主人公・東光太郎役として名高い篠田三郎氏と、アイドル歌手にして野球が得意なタレントとして人気を博していた高岡建治氏の二人を起用した「TOKYO DETECTIVE~二人の事件簿」「新・二人の事件簿~暁に駆ける」の2タイトルで、製作元は大映テレビ
 それまで複数人、もとい単独の主人公を設けて進行させるパターンの数多だった刑事ドラマ路線で、無論個性あふれる取り巻き層は存在しているものの、タイトルどおりに二人の主人公同士の絡み合いを主軸にしたケースは当シリーズが初めてだったのですが、何とこの二人がいみじく仲が悪い
 
 俳優としての完成度が固まり始めていた頃の「哥(うた)」における無機質な若者像や、「シルバー仮面」での攻撃的で突っ走り気味な春日兄弟の三男坊・光三など、東光太郎の様な明るく爽やかなイメージばかりでなく種々様々の配役を難なくこなされてきた篠田氏担当の宮坂信彦は、ブルジョワで趣味を通じての親友も多く、美人鑑識医のフィアンセも持つ恵まれた境遇ではあるが、悪を決して許さず、ついでにプライドも思いっきり高い優等生タイプ
 対して、「赤ちょうちん」「バージンブルース」などで世をひねた若者を多く演じられてきた高岡氏の真樹一夫は、貧乏な境遇に生を受け、孤児院で育ってきた負けん気の強い、粗っぽい反面、涙もろくて人情味あふれる野良犬タイプ
 この二人が同じ職場で毎回、凶悪犯罪に対しての共同捜査を命ぜられるものの、光と闇、水と油の人間性がすんなり相容れるはずもなく、下らない事で衝突しては犯人を取り逃がしたり、捜査をいよいよ難航させたりして、故・植木等氏演ぜられる早川警部の雷を食らう。が、結果的には仲間や友人達の仲裁や助けを借りて共闘し、難事件を解決。 湯飲み一杯の冷酒による職場での乾杯(いいのか?しかも、警察内だぞ??)で祝杯をあげて、エンディングへ。
 
 ほらね、スイートプリキュアに、ストレートなまでにこのシリーズ、影響与えてると思いません?
 もちろん、基本的にはどんな路線だって仲良しがいいにきまってます。
 でも、こうした普段ぶつかってばかりの二人がいざとなれば手を組んで、って言うの、最近、中々なかった気がするし、久々にパターンを見かけると何となくうれしくなるんですよ。
 
 さて、肝心かなめの主題歌の方、行ってみましょう。
 
 劇中において、宮坂&真樹両刑事の属する緑橋署の最年少にして紅一点・美杉玲子婦警を演じられ、時のアイドル歌手としても活躍されていた牧美智子氏の担当となる、先ず左の一枚は第一シリーズのED主題歌として扱われた「街のともしび」
 「私の彼は左きき」「雨」など数多くのムード歌謡を手掛けられた千家和也先生の作詞にして、「青春時代」「過ぎてしまえば」などで著名の森田公一先生作曲による当ナンバーは、実際にTV画面進行では宵闇と小雨にけぶり始める街の人混みが挿入され、都会に生きる若者の切なさと悲しさを見事に歌い上げた一曲。B面の「星のつぶやき」は、最終回の挿入歌として使用された、こちらもA面に勝るとも劣らない名曲で、愛する相手に心の通じなくなってしまった女性の悲しみをしっとり歌い上げています。
 
 右側は、22~23時台の放送だった一期よりゴールデンタイムたる20~21時台に繰り上がった二期よりOPとして起用された、タイトルもずばり「暁に駆ける」
 総合音楽において森田氏より担当変更された菊池俊輔先生がその十八番である「バーディー大作戦」「キイハンター」などのスピーディ性とアップテンポさを作曲に取り込まれた当ナンバーは、引き続き千家氏の作詞によるたたみかけるような文面にビートの利いたエレジーカラーがくまなく塗り込まれ、破局を迎えた若い恋人同士の心情を歌う、切なさと共に格好よさも携えた名曲へと仕上がりました。
 実は主任は二期の再放送から入ったクチですんで、こちらの方が馴染みで、忘れられないんだよね。
 B面の「星空のスキャット」は、当初ED主題歌として候補に上がっていたもので、番宣CMのBGMとして使用されていたそうですが、結局放映時刻の繰り上がりに伴って、直後のニュースやミニ番組などとの折り合いに置いてEDが削られて、没。今ではこのEPレコードだけでしか聴く事が出来ません。
 失恋からの傷心で夜の街をさまよう若い女性の切なさを著わした歌詞と優しいメロディで、これもまたA面曲に負けない位いい歌です。
 
 この他、二期に置いては挿入歌で、詩仙堂と言うグループの歌唱される「急げ青春」なる、同時期にライバル視されていた「太陽にほえろ!」ばりのかなり熱い歌もあるのですが、遺憾ながらそちらの一枚は所持していないと言う事で。
 
 
 既述の植木氏のほか、高橋悦史氏や大坂志郎氏、森大河氏らと特にキャスト陣で今となっては故人となられている方々も少なくなく、再放送の機会にもあまり恵まれないシリーズですが、本家ウルトラシリーズでは共演される事のなかった「ウルトラマンレオ」主人公・おおとりゲンを好演されていた真夏竜氏と「プロレスの星・アステカイザー」鷹羽俊役だった島村美樹氏が宮坂とのヨット仲間にして親友と言う設定で円谷三大ヒーロー共演がなされていたり(一期で彼らが女とベッドで戯れるシーンがあるのは、女性ファンにはショックかも…)、二期に置いてはあの「Gメン‘75」に先駆けて海外ロケが意欲的に行われたりと、見どころは一杯。
 ドラマの方も単なるハッピーエンドばかりではなく時には後味の悪い話や、残酷なエピソードなどもあり、決して近年のドラマに引けを取りません。再放送は無論、各視聴メディアの発売も待たれるシリーズです。
 
 所で当シリーズ一期の「TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿」の方ですが、リンク先での説明でもお分かりのように、第七話「戦後30年の逆さ吊り」欠番扱いになっています。
 詳細はあまり分からないのですが、耳にはさんだ話では、宍戸錠氏演じられる犯人が戦後30年たった今(1975年当時)でもアメリカへの憎悪を抱き続け、アメリカかぶれの若者を次々と惨殺していく、と言う様な展開だったとか。
 何たって、脚本を担当されていたのが、やや過激派寄りな作品を多く手掛けられてきた故・佐々木守先生ですんで当たり前かもですが、そもそもこの欠番騒動はCS局であるチャンネルNECOでの再放送時に発生したもの。
 二期に比べてもなかなか再放送のなかった一期は、このNECOでのそれがCSで扱われた初めての公開だったのですが、その当時、世間的に国内でのアメリカへの印象がやや不安定な位置にあり、恐らく自粛的な意味合いでの欠番となったのでしょう。
 色々難しいかもですが、この先DVDやBRなどが発刊されるとすれば、何とかして収録されたいものです。
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