現地日程では1日(日)にサンディエゴで開催され、日本の地上波では昨日7日(土)にテレビ東京系で放送されたUFC on Versus 2の全試合結果&レビューは以下の通り。



UFC on Versus 2

8月1日(日) スポーツアリーナ


第1試合 ○ロブ・キモンズ(3R 判定 3-0)スティーブ・スタインバス×

第2試合 ×ダレン・エルキンス(1R 0'41 腕ひしぎ十十字固め)チャールズ・オリベイラ○

第3試合 ○ブライアン・スタン(3R 3'10" 三角絞め)マイク・マッセンツィオ×

第4試合 ×ジェームス・アーヴィン(1R 2'29" リアネイキッドチョーク)イゴール・ポクライェツ○

第5試合 ×ダマルケス・ジョンソン(2R 4'29" TKO)マット・リデル○

第6試合 ×ポール・ケリー(3R 判定 0-3)ジェイコブ・ヴォルクマン○

第7試合 ×タイソン・グリフィン(1R 1'04" TKO)五味隆典○

第8試合 ×ジョン・ハワード(3R 2'21"TKO※ドクターストップ)ジェイク・エレンバーガー○

第9試合 ×マーク・ムニョス(3R 判定 1-2)岡見勇信○

第10試合 ○ジョン・ジョーンズ(1R 1'56" TKO)ウラジミール・マティシェンコ×




UFCミドル級のベルトを狙える位置にいる名実共に「日本のエース」岡見勇信と、崖っぷちの「火の玉ボーイ」五味隆典が出場した今大会。


上記の結果をご覧の通り、日本人2選手揃って勝利を収めた。


秋山成勲が先月のUFC116で敗れ、宇野薫、吉田善行、長南亮、郷野聡寛といった日本人の実力者達が結果を残せず志半ばでUFCをリリースされてしまっている現状の中で、日本人が2人揃って同じ大会で勝利した事は、先日も書いたとおり非常に意義のある事。


今回、五味君が勝っても勇信が負ければすげえ悔しかっただろうし、その逆も然り。


だから今回に関しては「個人の勝利」よりも「日本の勝利」という意味で非常に嬉しい。


さて、その日本人2選手の試合、そして衝撃KO決着となったメインを以下で振り返ります。



タイソン・グリフィンVS五味隆典


前回、UFCライト級のトップコンデンター、ケニー・フロリアンに何も出来ず完敗し、早くもUFCで崖っぷちに立たされた五味。


ここで負ければリリース確実のこの試合でまさか右フック一発で、KO負けがキャリアで一度も無いタイ・グリを沈めてしまうとは思わなかった。


しかも64秒という衝撃の秒殺劇。


まああの強烈なフックを食らって立ち上がろうとしたタイ・グリも凄いんだけどね・・・。


こういう所が、こう・・・、圭佑じゃないけど「持っている」というか、そういう人なんじゃないかと思いますね、五味隆典は。


まあ入場の時から五味から漂う雰囲気っていうのは良かった・・・、少なくとも前回のケニーとの試合みたいな


何となくオクタゴンに立ってる感


っていうのは全く感じなかったですね。


もちろん今回の試合で、例えば長期戦になった時のスタミナだったり、試合の運び方、金網際の対処法、グラウンドでの対応と、課題をどうクリアしているかが全く見えないまま終わってしまったから、これならいけるんじゃないか・・・という確証はまだ持てない。


ただ、この全世界を震撼させたKO劇は、当然インパクト大で、次は文句なしでUFC本戦での試合になるだろうし、相手もフランキー・エドガー、B.J.ペン、一度苦杯を舐めたケニー・フロリアン、グレイ・メイナードといったUFCライト級のトップコンデンターたちを相手にする事になるだろう。


そういった意味で、五味本人もコメントしたとおり、ようやく五味のUFCが始まった。


ようやく、UFCで大きな一歩を踏み出したのだ。



マーク・ムニョスVS岡見勇信


UFCミドル級王座に向けて、もう一つも落とせない「日本のエース」勇信は、殆ど危なげない試合で横須賀生まれのファイター、マーク・ムニョスを退けた。


危ない場面は2R、ムニョスのパンチでフラッシュダウンした場面くらい。


でもフラッシュダウンした後の対応は非常に冷静だったし、その場面以外は全局面で勇信がムニョスを圧倒して何もさせなかったんで、安心して見ていられました。


まあスプリットデシジョンは2Rにフラッシュダウンしてしまった分だと思うんでしょうがないけど、まあ誰が見てもスプリットデシジョン以上に実力差を感じた一戦だったんじゃないですかね。


勇信も今後の相手はさらにグレードアップすると思う。


ネイサン・マーコート、デミアン・マイア、ビクトー・ベウフォートといったUFCミドル級のトップコンデンター達が、勇信を待ち受けている。


アンデウソン・シウバがUFCミドル級王者でいる間に、何とか王者挑戦権を掴んで欲しい。


やっぱりアンデウソンを倒して王座を獲得する事に、大きな意味があると思うから・・・。



ジョン・ジョーンズVSウラジミール・マティシェンコ


UFCライトヘビー級に現れた23歳の超新星ジョン・ジョーンズは今回も圧巻のパフォーマンスを披露。


8年前の「UFO LEGEND」でアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラを破った事があるマティシェンコを相手に、カウンターのタックルからパスガード、最後は腕を取りながら肘の連打という冷徹すぎるフィニッシュで完勝。


ジョーンズにとっても今後の相手はさらにグレードアップするはず。


噂によると、来月のUFC119でのアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラVSライアン・ベイダー戦の勝者と・・・なんて話もある。


更にその上にはリョート・マチダ、ラシャド・エヴァンス、フォーレスト・グリフィン、クイントン・”ランペイジ”・ジャクソンといったUFCライトヘビー級歴代王者達。


そして現UFCライトヘビー級王者マウリシオ・ショーグンが待ち構えている。


UFCライトヘビー級期待の超新星は、一体どこまで上っていくのか!?



さて、今後のUFCについては、日本時間では先ほど終わったばかりのUFC117。


WOWOWでのオンエアが控えているので結果は伏せますが、やはり本当に強い人は苦境の中でもキッチリ勝ちきるという事を証明する形になったようです。


更に8月末にはフランキー・エドガーとB.J.ペンのUFCライト級タイトルマッチが行われるUFC118が控えている。


4月のアブダビで、フランキーの徹底したヒットアンドアウェイ戦法で王座から陥落したペン。


しかし挑戦者としてリマッチに挑む立場となった今回は、ケニー・フロリアンを絞め落とし、ディエゴ・サンチェスを血祭りにあげた時の「怖いB.J.ペン」が見られそうな、そんな予感がしています。