谷村新司さんが亡くなった。なんと、もんたよしのりさんも・・・。そしてBUCK-TICKの櫻井敦司さんも亡くなったと聞いた。櫻井氏は年下(学年は同じだったな)であり、彼の死も、谷村さんやもんたさんの死の知らせを聞いた時とおなじ、それ以上かな?ショックを受けました。
谷村さんともんたさんに関しては、小学生中学生の頃、ベストテンなどの歌番組でよく見ていたアーティストであり、いつも身近に彼らの曲が流れていたので、自分も歳をとったんだなという実感も湧いてきている。
さて、2022年の24時間テレビ。加山雄三さんが最後の出演ということだったけど、谷村さんも、病気のため2023年の24時間テレビに不参加だったため、作詞・作曲したお二人にとって2022年の出演が最後になってしまったということになる。
そもそも1992年に24時間以内に楽曲を制作するという企画に2人が携わり「サライ」という楽曲が誕生した。
サライはペルシャ語で宿・家という意味だという。心の故郷・心のオアシスという意味が込められているということだ。日テレが言ってるらしい・・・。
この曲を聴いて、僕は、谷村新司さんの「青年の樹」という楽曲を思い出した。僕は勝手に「サライ」は「青年の樹」の続編だと思っている。
「青年の樹」は、夜、家を黙って出て行く青年の歌。二十歳の記念に父親が痩せた腕で土をかけ庭に植えてくれた記念樹に、老いて行く両親を優しく包んでくれと歌っている。憧れや夢のため、生まれた場所を捨て、旅立とうとする青年の揺れ動く気持ちを歌っている。
そして「サライ」は、汽車で生まれた街を捨てて出て行く場面から歌が始まり、都会でもがく青年の姿が歌い込まれている。
僕には、「青年の樹」で、家を出ていく決意をした青年がそこにいるように感じられた。
僕は、「サライ」の3番を聴いてなんとなく救われた気持ちになった。故郷を、両親を「すてた」と歌の中で言っている青年が「若い頃の父と母につつまれて過ぎた日々」をなぞりながら生きていると歌われているからだ。
そして彼は、いつか帰ると、きっと自分自身に約束しているんじゃないかと思った。
追悼ということで、「昴」が流れることが多いかもしれないけれど、僕にとって、谷村新司といえば「青年の樹」である。TBSのドラマ「野々村病院物語」の主題歌だったこの曲こそが、僕にとっての谷村新司なんだと再確認したな。
野々村病院物語・野々村病院物語Ⅱともに主題歌はこれだった。僕はⅡの方が印象に残っている。大学生になり、種子島からやってきた同級生が、この曲が流れ始めると、電気を消し、ベッドの横の小さなライトをスポットライトのように自分に向けて、考える人みたいなポーズをとって歌い始めるという・・・それもまた、思い出す一コマではあります。
もんたさん、櫻井さんのことはまた別の機会に・・・。