今朝は寒くなったようだが、不思議とそんな感じがしなかった。動かずにじっと立っていると身体が冷えてくるのを感じるが、動いている分にはいつもと変わらない。

池波正太郎氏の『鬼平犯科帳決定版』シリーズを読んでいるが、なかなか安くなった第11巻と第12巻が中古本屋で手に入らないため、辛抱できずに2巻飛ばして第13巻を読むことにした。

熱海湯治にも飽きて江戸に帰ろうと決めた長谷川平蔵一行だったが、その前日に、高窓の久兵衛の嘗役だった利平治が現れた。「嘗役」は、一味の押し込みに関係なく、ひとり、諸国の町や村をめぐり歩いて、自分が所属する盗賊一味の盗めに適当な商家や民家を探しまわる役目だそうだ。（熱海みやげの宝物）

ひとつの躓きが火付盗賊改方の与力・富田達五郎を転落させていく。平蔵の決断は？（殺しの波紋）

火付盗賊改方・同心の松永弥四郎は、奇妙な性癖を平蔵の息子の辰蔵に見られ、いつ平蔵の耳に入るかと戦々恐々としていた。そんなところへ、夜針の音松という兇盗が江戸に戻った情報が入り、追い詰めると…。（夜針の音松）

他3篇が収録されている。

本巻に収録されているのは次の6篇。（）内は初出誌「オール讀物」号数。

・熱海みやげの宝物（1975年7月号）

・殺しの波紋（1975年8月号）

・夜針の音松（1975年9月号）

・墨つぼの孫八（1975年10月号）

・春雪（1975年11月号）

・一本眉（1975年12月号）

表紙絵は歌川広重『名所江戸百景』の「堀切の花菖蒲」が使用されている。

短編集なので少し飛ばしてもいいかと第10巻から2巻飛ばして第13巻を読んだが、長谷川平蔵がなぜ熱海に湯治に来たのかがわからない。忘れてはいないと思うが、ま、そのうちに湯治にきた話があったことも忘れていそうだ。

池波正太郎生誕100周年を記念して、松本幸四郎主演による劇場版『鬼平犯科帳血闘』が5/10から公開される。

未読巻がまだ14巻あるので、映画公開まで関心が切れることはなさそうだ。無料鑑賞できるポイントも8本分くらいは貯まっているので、予定に入れておくか。温泉→映画のコースにしよう。

鬼平犯科帳 決定版（十三）

鬼平犯科帳決定版（十三）