今までは 人のことのみ 思ひしに おれが死ぬとは こいつたまらん

という狂歌に倣えば、人のことと思っていた後期高齢者が自分のことになるとは?

 

組織人40年から自由の身となり、定年後10年、様々の学びを得た。

老後の課題を3K(金、体、家族)と考えていたが、後期高齢者となって少し課題が変化していることに気付いた。

 

3Kよりも「死」との向き合い方について考えておくことが大切で、そこから人生の過ごし方、家族・社会とのふれあい方が生まれるのではないか?と考えるようになった。

そして「禅」の考え方に近づいて来ている。

 

金や名誉や肩書きや家や車などの地位財よりも、自由や健康や愛情などの非地位財の方に課題を置くようになっている。

老後は非地位財を大切に考えるようになった後期高齢者である。

 

添え書きに今年限りと賀状書く

定年後10年75才を機に、年賀状終いを添え書きした。

知らせもなく自然消滅する人も多いが、知らせをして止めることで義理を欠かなかったと自己肯定している。

老後は大いに恥をかいて生きて行こうと思う。

「知らないことを知る楽しさ」は、歳と共に増えている。

 

 

 

江戸時代は階級社会、明治は国家主義、大正は軍国主義、昭和は国粋主義で始まり

終戦後、自由と平等を掲げて民主主義の時代を作ってきた。

平成、令和は、過去の歴史を見れば良い時代になった。

 

生活文化芸術では江戸時代、明治、大正、昭和、平成、令和それぞれに特色をもって良いものを創造している。

人はみな「時代の空気」を吸って生きるので、生活文化芸術も「時代の空気」に少なからず影響を受ける。

 

現在を生きる我々の「時代の空気」を良いものにしていかないと、それを吸って生きていく人間が良い人生を送れないことになる。

 

良い「時代の空気」とは精神的・肉体的に自由平等、幸福感を人々が感じられる時代ということだ。

不自由、不平等、不幸を無くすという観点から世の中を観ると、色々な事が見えてくる。

 

人が生きたわずかな一生の最後に良い「時代の空気」を吸えたと思えるか?否か?が重要なことだ。