162.核脆弱性
核脆弱性とは次のような原因のため、核攻撃に対する耐久力、報復力に制限が生じていることを云う。
⋆国土の幅が狭い~イスラエル、日本
⋆国土が小さい~台湾、イスラエル、日本、その他
⋆山岳が少ない~中東諸国、イスラエル
⋆少数の大都市に人口、機能が集中している~日本他多くの国々
⋆民主主義国~アメリカ、ヨーロッパ、日本、その他
(もっとも、アメリカのような国が、核攻撃の恐怖に対する精神的な耐久力を有り余るほど持っていれば、これまた危険である。)
このような国々の核戦略は次のようなものである。
イ.、核武装をしている国と軍事同盟を結び、同盟国の軍隊を駐留させるという方法が考えられる。
こうすることによって同盟国の軍隊が敵国の核に対する盾になるであろう。但し、軍事同盟は完全に双務的であり、同盟国に対するあらゆる攻撃に際して、こちらの方も核を含む防衛、報復戦力を準備し行使しなければならない。
勿論、この方法はどうしても原理的に無理が出る。
第一に、他国の軍隊を駐留させるという事は、国家主権の多くの部分を明け渡した事に等しい。
第二に、自分達が核戦争をしようとすれば、駐留している国は「やめて敵に妥協せよ」というであろう。
反対に、駐留国が核戦争をすれば、駐留させている(駐留して頂いている)国は自動的にその戦争に巻き込まれるであろう。
自分達の戦争意思が他国の戦争意思によって左右されるという事は、非常に望ましくない。
大体、いくら同盟関係があるといっても、他国の核戦争にまで自分が加勢に出て行く国などがあるはずもない。他国に駐留している軍隊は駐留している国を守るために駐留しているのではなく、自分達の戦争の為に駐留しているのである。故に、核戦争というものは自分達の力で戦うしか他に道はない。
ロ.相互確証破壊抑止力ないしは相互確証破壊力の先制的行使による先制的抑止力の多くを、潜水艦や航空機などのような脱国土化した要素として準備して置く。3~5倍滅多打ち皆殺し報復力を宇宙空間、海底、そして本土の地下などに分散して置く。
ハ.情報能力が大切である。特に情報は以下で示すように、即時報復、時には即時先制的報復(兆候を捉えた段階で報復的に先制する事)の為に役立つものでなければならない。
a.敵国権力の所在場所に関する情報(まず真っ先に権力を殺すという能力と意思表示のため)
b.敵国核発射基地に関する情報
c.敵国の先制核攻撃の兆候に関する情報
d.抑止力として、こちらにいかなる先制能力や報復能力があるかを敵国に思い知らせて おく能力