79.Identity、階級、標的、有効権力の優勢、非完結性、

・良い国

自由な、拮抗しあう諸力が統合された標的群―理念―Identity―の実現を目指して功績を争う。そして標的や功績の評価には誇張や誤謬や捏造がない。

非完結的である―即ち、権力体Identityと権力体標的が存在し疑い探求し続ける

有効権力が優勢である。

階級がしっかりしている。しかし、階級間の交通が自由である。

財・収入の配分が程々に良い。

(平等化しすぎると社会は弛緩する。偏りすぎると社会は荒廃し、革命が起きる。消費需要が減退して不況が来る。)

・強い権力

忠誠と服従を要求し、命令を実施させる事ができなければならない。即ち、権力は強くなければならない。決定し支配する強い権力をルールとして認定し、人々はこれに服従する。

人々はこの権力に対して逆支配をしようとする。

この闘争は支配するかされるかという勝負でありパフォーマンスでもなくスタンドプレイでもなく馴れ合いでもない。権力は勝負がかけられることを予め抑圧しないで受けて立つ。人々は結束することが出来ず、互いに支配しようとして統率が利かず揉み合い続けるかと見えるが、全員が何時までも自己中心的ではあり続けられず、互いに撃ち合うことを通じて次第に統率法を習得する。服従はその必要性を知った上でなされるから権力の報酬よりも有効性の方が重視される。そうしないと権力が潰されてしまう。

自分から発する権力力線Vectorは外から自分に対して向かってくる権力力線Vectorよりも正確に見定め辛い。何となれば権力力線Vectorに対する反応は受け取る側の心の中で起きるものだからである。最良の権力は、

ⅰ.自分から出る権力力線Vectorを正確に見て取る眼力

ⅱ.このVectorの作用を貫徹する意志

を持つ。

.道徳と自由、

崇拝に代わって尊敬が、強制と服従に代わって命令と責任が主役である。

権力力線Vectorは上下左右が互いに双方向的に存在している。権力場の中心と周囲の鉄片は互いに形成しあう。

パワーは自由性と自発性によってもたらされる。

丁度身体の統合的な機能が、各部分の柔軟性によって極大に至るように。

信賞必罰が正確に適用されている。

処罰(肉体的刑罰ではない)は残酷に行われる。

権力の行使は金や知識や地位権能の行使ではない。

・権力の哲学性

哲学は、我々が何の為に、何処から来て、何処へ行くのであるかと云う解答が不可能な質問に解答を与えようとするものである。哲学は学問ではない。

哲学のないノウハウ術に特化した権力体はその中に棲息する人間をしてバクテリア、アミーバ、ぞうり虫の類にまで転落させる。このような者共に生きる価値はない。

哲学性のない権力体は実利と快楽と模倣の奴隷集団となり、滅亡するであろう。この権力体は権力体宇宙の中において世界を先導する資格はない。

 権力の明証性

ⅰ.権力は、全ての人々が共通の理性に基づき、そして、自らの内発性において認定・承認し、又、そのように認定・承認せざるを得ないものでなければならない。そこには強制も暴力も迷信もない。

権力は権力を行使しているという事を知っていて権力を行使する。

ⅱ.上記ⅰの条件を満たす認定・承認行為が次の諸事項を決定する。

 a.明確な言葉で定義された権力の権能と義務

 b.権力を選任し、監査し、解任する手続きが言語を持って確定され表現されている

 c.定期的に執行する人民による直接選挙の手続き.ただし、人民が賢明であること.

(いかなる権力も公正な、監査・解任・もしくは選挙の洗礼から免れることがあってはならない)

ⅲ.権力の諸階級への就任の機会が社会に開放されている。

ⅳ.権力が機能別に分立する。

ⅴ.しかし、権力がバンドル(束)になっていて一つの意思を表現し、この意思を実現することができる。

(注意)~企業はこの権力の明証性のうち、

ⅱ-b. (権力を選任し、監査し、解任する手続きが言語を持って確定され表現されている)と、

ⅱ-c.(いかなる権力も公正な、監査・解任・もしくは選挙の洗礼から免れることがあってはならない)

この二つの条件が欠けていて、企業権力の選定は密室内での闘争や談合離反などで決定される。

故に企業幹部は必然的に腐敗する運命にある。企業権力は自己目的化する性癖が甚だしい。

かろうじて市場による監視・淘汰機能が一定の歯止めをかけている。

官僚組織は政治(=人民)による支配・監査がなければ必然的に腐敗する

何故ならばこのとき彼等は選挙の洗礼を受けるという心配から開放された独裁集団と化すからであり、市場による監査がないだけにその腐敗は目を覆うものとなるであろう。

 .復元力、

程々の悪は善のトレーニングのために役立つ。

内部の悪と戦うことによって組織は体質を強化、改善し、有効権力を打ち鍛え、ライバルとの闘争力も強化される。日常の一寸した生活習慣の歪み-その一つ一つは、それ自体はたいしたことがないように思えるが-その蓄積が終いには重い成人病をもたらすように、病原菌はまことに狡猾に、目立たぬようにして権力体に忍び込む。

過大な悪は、人体における重い癌や病原菌が免疫力を打ち負かすと同じように、権力体を死滅させる。そして、死体はハイエナや禿鷹の餌になる。

トップの腐敗はいくら隠しても側近には知られる。

すると側近の忠誠心や尊敬心は悪く変質し、側近者達は権力から離反するか、権力に感化されて自分も共犯者になるか、傍観(見ぬ振り)をするか、そのいずれかである。そして、傍観者になるか、共犯者になるかするしか側近が生き残る方法はない。

このようにして悪の拡大スパイラルが全体に及ぶ。

正当な対価を支払うことによって報酬を得るという行為を、馬鹿らしいことであると思うような考えが蔓延する。