72.独裁制から民主制へ

独裁制を解体して民主制に転換する道筋は、

ⅰ.革命による民主化-流血は避けられない。しかし、やるしかないという事であろう。

ⅱ.独裁者が自ら権力を放棄する-独裁者が処刑される怖れを持っていない場合に起こり得る。

しかし、その後に来る民主制体制の準備が既に存在していなければならない。

*-ソ連共産党独裁の放棄は、その前にフルシチョフによるスターリン独裁批判が行われて、個人独裁からイデオロギー的な集団指導的独裁体制に変わっていたという事情があり、それに加えて東欧の共産主義国家のドミノ倒し民主化という潮流が存在したために、情報の独裁緩和を行って、意図せずしてソ連解体のきっかけを作ったたソ連共産党書記長ゴルバチョフが独裁者として処刑される恐れはなかった。しかも、ゴルバチョフの後にもっと激しい民主化論者であるエリツィンがのし上がってきてロシアの共産党解体を強行したという幸運も加わった。

それでもモスクワ市内での市街戦は避けられなかったのであり、エリツィンが戦車の上に立ってこの市街戦を指揮したのである。

ⅲ.他国が干渉して民主化してやる-この場合徹底した支配から始めなければならない。もっとも、そうしたとしても経験のない人々が自分達の民主制度を持ち得るのか否かは保証の限りではない.

 .展望

独裁権力の構造、その虚偽と真実についての知識の明晰さが増加するであろう。もし我々が真実を明らかにしようとする方向を見失わない限り知識の明晰さと知識の量は増加する。我々は自分自身の本性の中に生息する怪物をよりよい方向に向けて飼いならそうとするであろう。忠誠は醒めたものになるであろう。犠牲者を駆り立てる大動員は困難になって行き、その可能性の巾をより必然的な切迫に限定するようになる。