中国マネーに跪く英国
2015年12月01日(Tue)
★・・・英国政府はヒンクリーポイント原子力発電所の新設に中国資本の受け入れを決め、さらに中国製の原発設備を将来採用する計画を明らかにした.・・・英国地元紙が、「ヒンクリーポイントの設備は中国製になる」と報道し、地元で「原発は歓迎だが中国製は困る」と反対運動が起こった.・・・英国政府関係者と面談し、「中国製設備を英国政府は受け入れるのか」と尋ねた.・・・「資金を提供してくれるのであれば、中国でも、どの国の設備でもいい」と答えた.
★世界を牽引した英国原発が消えたのは何故か
福島第一原発1号機の事故の後、英国政府関係者から「福島事故の際に日本から退避する必要があるか、ロンドンの施設で解析した。仮に1号機から4号機まで炉心が全て溶融しても日本から退避する必要はないとの結果だった」と聞いた。話は、「遠く離れたロンドンですら解析ができるのに、日本はドタバタしていた。危機管理能力がない内閣だったのが、日本の不幸だった」と続き、「世界で最初に商業原子炉を完成させた英国は、この程度の解析はできる」と・・・しかし、英国の原子力業界の実態は、自国の原発建設さえも自力でできないほどに衰退している。
英国では・・・サイズウエルBを最後に原発の新設が止まるが、その遠因は・・・電力市場の自由化だった・・・自由化した市場では将来の電気料金は誰も予測できない。巨額な投資を必要とし、減価償却のため40年以上に亘り常に運転を行う必要がある原発の建設には収益面のリスクがある・・・自由化市場での原発の建設はなくなっていった.・・・しかも、北海からの安価な天然ガスを燃料とする火力発電により卸電力価格も下落し・・・財務的に行き詰まった新会社を買ったのは、フランス政府が84.5%の株式を保有する仏電力公社(EDF)だった..・・・英国は原子力技術を失った.
欧州の研究者は、「複雑で大規模工事の原発新設には、何よりも継続した工事の経験が必要」と指摘する。福島第一原発の事故以降、世界では原発新設の動きが一時中断した。
そんな中で短期間の中断後すぐに工事を再開した中国だけが、継続的な工事実績を着実に積んでいる.中国で稼働中の原発は29基、建設中は22基ある。16年に運開予定の世界の原発16基のうち8基は中国で建設され、17年運開予定では15基中8基だ。いま、世界の原発工事の半分は中国が行っている.・・・中国の原発設備は、東芝が87%の株式を保有するウエスティングハウスとアレバの技術が基になっている.10年に国際原子力機関が・・・中国の原子力安全のシステムの効果と将来の安全性に、問題なしとお墨付きを与えている。
アレバの原発の建設コストはkW当たり6000米ドルと言われている.・・・一方・・・中国CAP1400のコストはkW当たり3000ドル・・・と中国政府関係者は述べている.
・・・「鉄道車両」と「原発設備」輸出に力を入れる中国政府は、・・・輸出に一層力を入れる筈だ.日本では、原発の再稼働は進まず、新設はいつになるのか全く見えない。政府は30年に電源の20%から22%を原子力で賄うとしているが、その道筋は不透明だ。原発の工事を長々と中断すれば、いざ建て替えや新設工事を再開することになっても、アレバのように工費と工期で問題を起こすようになる可能性も高い。そうならないようにするには、継続的な工事で着実に力を付けるしかない。
停電が発生する可能性を避けるため中国企業に工事を依頼するしかないとなれば、英国と同じだ。原子力技術が衰退した英国を他山の石として、中国企業との競争をどう勝ち抜くのか、いまから考えなければ、気がつけば、海外市場どころか国内市場も中国に席巻されていることになりかねない。
解説:
・福島のときイギリスが直ちに放射能の問題なしと解析したのは驚きだ.政府がしっかりと解析して広報すれば常軌を逸した反原発は発生しなかっただろう
・日本も電力を自由化すれば誰も原発を手掛けなくなることは明らかである
そうなれば、もしどうしても原発が必要になったときイギリスのように中国に原発を発注しなければならない
しかし、中国の原発技術は鉄道技術と同様、元々日本から教わり、これを独自技術であると偽って売りこんでいる