➡アメリカとサウジアラビア支配層は、かねてからの石油利権上の結託の延長としてソ連による侵略と闘うアフガニスタンに支援派兵をすることとし、アメリカは技術と支援指導要員を、サウジアラビアは資金、支援ルート、そして兵士の調達と派遣を夫々分担してアラブ系ムジャヒディン(イスラム教戦闘士集団)をアフガニスタンに派遣してソ連軍と戦わせた。
ソ連軍撤退の後、このムジャヒディン集団(アフガニスタン政府軍、分裂したアフガニスタンのムジャヒディン集団、にサウジから派遣したムジャヒディン集団が絡む)が分裂して激しく主導権争いを行い、結局、タリバン(イスラム教原理主義集団)が勝ち抜いてアフガニスタンを制圧した。サウジアラビアの富豪一族に属するウサマ・ビンラ-ディンはこの時のアラブ系ムジャヒディン戦士としてアフガニスタンに従軍した一人であった。一方、サウジアラビアにおけるイスラム原理主義過激派憎米集団(彼らは嘗てアメリカと共同してムジャヒディンを育成する母体であったのだが)はサウジアラビアの親米的支配者達にとって次第に迷惑な存在になってきたために、サウジアラビアの親米的支配者達は彼らに金を与えてアフガニスタンに送り出し続けた。これがウサマ・ビンラ-ディンによって組織されるイスラム原理主義集団アルカイダの源流であり母体である。
そしてタリバン政権がアフガニスタン国内にこのアルカイダの軍事基地を提供したのである。
してみれば、サウジアラビアと並んでアメリカ自身もがテロ育成の元凶として作用していたことがここまでの経過から歴然としている。だがアメリカは自身がアルカイダ発生の下手人の一人であるということをひた隠しに隠す。もしテロリストたちの温床を提供している国は悪の枢軸であるというのであるならば、ムジャヒディン発生源であるサウジアラビアもその一つとしてアメリカによる征伐の対象でなければならないのだが、石油利権と軍事基地をサウジに持つアメリカは、こともあろうにイラクに八つ当たりをしようとして、なお、その上に全世界に対して、正義のアメリカにつくのか、それともテロリスト達につくのかと威嚇した。
だがより一層奥深い問題は、嘗ての「悪の権化」ソ連によるアフガニスタン侵略にあることはアメリカのために考慮しなければならない。尤も、ソ連のアフガニスタン侵略を焚きつけたのは他ならぬアメリカなのだが、これはソ連がアフガンの泥沼に嵌って、疲弊してしまうことを意図してのものであり、赤い悪魔ソ連と闘うアメリカの一つの方法なのであった。
➡アメリカの軍産複合体は朝鮮戦争、ベトナム戦争からこの方、休むことなく兵器を開発し生産し、売り続けた。この運動は丁度鮫が絶えず泳ぐ事によってのみ口から水を吸い込んで鰓呼吸をなし得、そうすることによって生きていられる様子に似ている。アメリカの富豪たちはエネルギー、兵器、食料、金融などの諸分野にまたがる巨大企業群(Conglomerate=コングロマリット)のオーナーである。彼らの至上命題はその財産を持ちこたえることである。嘗て金融王のモルガンはこう語った。「百万ドル稼ぐのなら馬鹿でもできるが頭がなければそれを持ちこたえられん」
持ちこたえることはその資金を運用することによってのみ可能であり、丁度減りもせず増えもしないように持ちこたえるなどという芸当はできない。
だから彼らは持ちこたえようとするのではなく、その財産を片時の休みもなく増やし続けることによってのみ安心する。それが石油と軍事と金融、そして食料支配への飽くことのない執念として現れる。
「人口の1%にしか達しないごく小数のアメリカ人が、全米の金融資産の36%を握っているという事実」これがアメリカ財閥の政治支配力を、その圧倒的なパワーを表現している。アメリカの国家生計の巨大な柱のうちの一つに暴力の商品化がある。暴力商品とは、武器、戦闘法、戦術、そして暴力予兆(守ってやるから金を出せ。脅かしてやるからその代わりに・・・・を寄越せ等々)そして最後には実力行使―これらの総てを指す。-幸いにも、このアメリカの国家生計手段遂行のために、アメリカには正義の陶酔と、力の過剰とが存在する。
これが商品として売りつけられるのだ。