権力分与

ⅰ.権力は一つの源泉から複数の配下に分与されて数の力となる。通常、何かを分け与えれば源泉は減るのであるが権力に関しては逆で、源泉も反って威力を増す。勿論、分与された権力の使い方によっては、(悪い使われ方をするならば)反って権力の源泉が悪くなったり弱くなったりはする。分与された者達は便乗し、同時に権力と自己同一化する。分与された権力が、それ自体権力からの一つの褒賞である。

諸階級は権力分与を受けることによって権力体を所有し、同時に権力体に所有される。Xは一個の意思として人を捉え包むが、それは又、人から発されたものであり、人は夫々の性格や、与えられた権能とその分量、を持ってXの意思を荷う。

独裁権力分与を受けたときの階級上昇に伴う天上的な喜び。実際、同一線上に生まれたはずの人間を下に見て支配する。権力力線Vectorという電磁場の力に曳き攫われて天空を飛翔する。

しかし、自由制権力場となると他人を自由に支配することなど不可能であり、その上に義務だの責任だのという苦いものが味付けをしている。

だが、独裁制権力分与は甘い蜜であるが有害であり、自由制権力分与は苦しさを伴うが秘められた自負精神の喜びである。

ⅱ.権力の力は、権力の力に乗じて自分の権力衝動を発散しようとするその他大勢の挙動の中にある。夫々の人が分に応じて権力を喜ぶ権力者であり手下でもある。

 .生計と実存が権力体の像に組み込まれる

その中で生計を立ててしまった。魚が水の中から出られないようにその中でしか生きられない。

その中で勝ち負けしながら自分を表現するしかなくなってしまっている。権力を担うことが生における最大の関心であり、出世競争に勝つためにはどんなことでもやってのけるという奇怪な事実が経験されている。

脱退は敗北であり、逃走であり、疎外として認識されている。