米中シェールガス協力の可能性

2014年08月06日(Wed) 


世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

米ハドソン研究所のハーマン上席研究員が、6月24日付ウォールストリート・ジャーナルに、中国のシェールガスは技術的、経済的にも採掘が難しいが埋蔵量は豊富で、米国の協力があれば回収が進み、新たなパートナー関係も生まれようとの論説を寄稿し、米中シェールガス協力の可能性について論じています。

 すなわち、中国に東シベリアから毎年天然ガス380億立方メートルを輸送する露中エネルギー取引の真の受益者は、プーチンとガスプロムである。シベリアのパイプラインを流れるガスは、他のアジア諸国へも販売できるようになるだろう。この取引は、欧州がウクライナ危機の余波によりロシアからのガス輸入を削減した場合の保険となる。

中間解説(星秋)

アメリカのグローバル資本主義を肯定しないロシアに対して、EUがアメリカに同調してロシアからの天然ガス輸入を停止しても、中国がロシアからの購入を増やせばロシアは困らないから、そうならないよう中国も自国のシェールガスを開発すべきで、そのため米国が中国に対して技術や資本で協力すべきであるといっている 

中国が現在、資金援助の義務を負う4,000億ドルのシベリア・パイプラインは、あと4年は利用できないだろう。そして2020年には、同国需要のわずか10%を満たすに過ぎない。

 中国にとり、より良い代案は、自国に埋蔵されているシェールオイル及びガスの開発だ。しかし中国はこれまでで、米国の40,000井に対し、200以下のシェールガス井を掘削したに過ぎない。

 一つには地質上の問題がある。中国のシェール層は、粘土をかなり多く含み、地中深く賦存して、硫化水素のような致死汚染物質を含む鉱床もある。地理的な問題もある。中国最大のシェール・ガス田は、人口が密集する四川省にあり、アメリカ式のフラッキング(水圧破砕法)に要する膨大な量の水を手当てできない。しかし、最大の問題は、中国政府である。国の主要なエネルギー企業は国有であり、当然ながら専門技術の有無に関係なく、殆どの契約を得ている。

 ヒューストンに本拠地を置くeCorpは、化学物質を混入させた水ではなく、液体プロパン(LPG)でシェール井をフラッキングする技術を開発した。従来のフラッキングと違い、プロパンは可採ガスと共にパイプラインを流れるため、廃棄物が発生しない。

しかし、中国が十分に海外の専門技術を活用するには、意識改革が必要であろう。すなわち、海外企業家を暴利貪る不当利益者としてではなく、パートナーとして見直すことだ、と述べています。


岡崎研究所による意見

 シェールガス開発に関する米国の技術協力から、米中間の新たなる戦略パートナーシップ構築に至る可能性を説いた論説です。

 論説が描く、中国のシェールガス事情に関するワシントンの有識者の見解は、概ね一致しています。政治力を駆使して開発鉱区や採掘権を獲得した中国大手国営石油会社には、水不足など中国特有の問題を解決する技術がありません。他方、米国の先端技術を使えば、水を使わない工法も可能になります。ハリバートン社などは水の再利用工法を確立しています。水の代わりに二酸化炭素を用いることは、米国では採算性が合いませんが、中国においては選択肢となるでしょう。しかし、ハーマンが例に挙げているLPGとなると、高度な熟練エンジニアによる細心の管理が必要で、さもないと爆発や火災を引き起こします。技能習得目的もあり、中国の石油会社は、ここ数年こぞって米国内のシェールガス開発に投資しており、米貿易開発庁(USTDA)は自国の関連先端石油開発企業との橋渡しをしています。

 日本にも出来ることはあります。四川省は地震多発地帯で、人口密集地での掘削は、爆発や火災、断層破壊などから大災害につながる危険もあります。そこで、日本の防災・減災の技術や経験が活かされる余地もあるでしょう。こうした、ビジネスの視点から日中交流を深める議論が、日本でも深まることが望まれます。

最終解説(星秋)

岡崎研究所の論旨は、ロシアのナショナル資本を征服し、かつ、日本を米中による共同管理下に置きたいアメリカ政府の意図を尊重し、日本が中国に対する技術協力などを推進し、合わせ日中交流を深めたいといっている.しかし、日中国交以来50年、6兆円に上る支援を実行し、天安門の虐殺の後に世界に先駆けて日本が経済制裁を解除し、天皇様まで訪中するなど懸命の支援交流を行って中共という化け物を太らせてきたのに、まだこんなことを言っているのは、日本を進んで米中共同管理の下におくことによって身の安泰を図りたいという意図によるものであると推定される.