7時45分発。
これは私が毎朝乗っている電車だ。
いつからその人の存在に
気がついたかは覚えていない。
ただ、気がついたらその人を
意識している自分がいた。
進行方向2両目の、真ん中のドアから入って
右側すぐの2人席。
それが私と彼の決まった席。
"私と彼の"なんて言ってるが、
もちろん彼と私は知り合いじゃない。
地元の駅始発なので、早めに並べば
好きな席に座れるのだが、
私は窓側席、彼は通路側席が
定位置のようだった。
私は26歳のOLだ。
彼は...見た目は私と同じくらいの年齢で、
身長は175センチくらい。
黒縁メガネをかけている。
スーツを着てるから、
おそらくサラリーマンかな?
実は顔はちゃんと見たことがない。
すごく気になるのだけど、
真横の席なので、凝視することもできず。。
ただ、履いている靴や靴下、髪型、
全体の雰囲気からすると、すごくおしゃれな感じ。
毎日目的の場所に向かうまでの45分。
それが1日の中で彼と会える唯一の時間だ。
私が彼を意識するようになって、
そろそろ1ヶ月が経つが、
話しかけることすらできない。
だって私がもし急に知らない人に
声をかけられたらものすごく怖い。
きっと次の日から電車の時間を変えるか、
車両を変えると思う。
だから、ただ毎日同じ席に座って、
"隣に彼がいる"と私だけが意識して、
ただただ毎日が過ぎている。
...何か話すきっかけがあればいいのになあ。
