私の父は、今年で88歳になった。

 

 

今日

久しぶりに父に会いに行こうと思った。

 

このご時世

不要不急の外出を控えて〜の四文字が浮かんだが

自分の父に会うの重要でしょう(笑)

 

 

実家の近くに

車を止め父の仕事場の窓に目を向けると

父と目があった。

手を振ると降り返してくれた。

 

 

あ、元気そうだと思い

父の仕事場に入ると

父がおめかしをしていた。

どうやら午前中

病院に行っていたらしい。

 

 

父は年齢の割に若く見える。

肌もつるつるで頬はピンク色

そんな父がいつも言うセリフがある。

 

「あー早く黄泉(よみ)の国に行きたい!」

(黄泉の国:死んだ人が行く場所)

 

決まって私がいつも冷静に

「それは自分では決められないし無理だよ」

 

なぜ、父がそのセリフを言うのか?

 

 

私の母は15年前に逝ってしまいました。

仲のいい夫婦じゃなかった。

むしろ喧嘩ばかりしていた。

昔「もう別れればいいじゃない」

って何回か言った記憶がある。

 

 

母が亡くなってから父は激変しました。

毎朝毎夕

仏壇に手を合わせお経を唱える。

 

母のことを懐かしそうに話す回数が増え

その表情はいつも寂しそう。

 

生きてる時にもっと

母に優しくしてあげればよかったやん

と、こころに思う。

 

88歳って年齢は想像も付かない。

でもよーく考えてみれば

私も幼少の頃

今の年齢になる想像は全く付かなかった。

それと同じ感覚なのだろうか?

 

 

父は、いつも同じ話しをする。

私をその話をいつも

今日初めて聞いたみたいに聞くようにしている。

それが私に出来る

ひとつの親孝行だと思っているから。

普段だれとも話さないのだろう?

 

今日の父は、ご機嫌で、ずっと話していました。

 

 

突然

ごぞごぞとし始めた父は

昔の写真を取り出した。

 

 

母と父の若い頃の写真

初めて見た。かっこいい!!

タバコをくわえた父の横に佇むサングラスをかけた母

い、いつの写真って??

その頃の話を楽しそうに話す父

 

 

父は早く死にたいと言うが

私に唯一残った「親」と呼べる「父」には

長生きして欲しいと思いながら

父の話を聞いていた.。